第3話
本日3話目です。
第1話と第2話を読んでないならそちらからどうぞ。
やって来ました!
冒険者ギルド!
村の中央にある割と大きめの石造りの平屋の建物だ!
早速ドアを開けて中に入ると、そこには20人くらいのプレイヤーが居た。
同じ場所からログインしてるプレイヤー達だろう。
一応別のアミューズメントパークからログインしてても同じ場所にログインする事は出来るが、それをするためには別途回線使用料を毎回500円支払う必要があるし、予め接続先を指定する必要もある。
なので、余程の事がない限りは利用しているアミューズメントパークからログインしているプレイヤーが殆どになる。
4つあるギルドカウンターは3つが埋まっていた。
空いてる1つは太ったおっさんNPCが座ってて、埋まってる3つは綺麗なお姉さんNPCが座ってた。
まぁ、デブ専の女性プレイヤーか無頓着な人以外はなるべく綺麗なお姉さんNPCのギルドカウンターを選ぶわな。
オレらもそーだし。
って事で、クエスト受諾した時と同じ巨乳NPCが座っているギルドカウンターに並ぶ。
太ったおっさんNPCがため息をつくのが見えたような気がするが、気のせいだと思ってスルーする。
許せ、おっさん。
やや待ってオレらの番が来た。
「ちーっす、リームさん」
「あら、悟志さん達。おかえりなさい」
「ただいまー! 薬草採って来たよー!」
美人巨乳受付嬢・リームさんのおかえりなさいの声に、五月ちゃんが元気良く応える。
リームさんも微笑ましいモノを見る慈愛の表情だ。
フツクシヒ……。
「はい、これ」
見た目よりおもいっきり沢山のアイテムが入るウエストポーチから薬草の詰まった袋を取り出してカウンターの上に置く。
袋の中には地面ギリギリの所から切断・採取してきた薬草が45束入っている。
リームさんは袋を開き、中の薬草の状態と数を確認する。
「はい、上質な薬草が45束で、銅貨90枚になります」
そう言って小切手に銅貨90枚と記載して冒険者ギルドの認定印をペッタンと捺して手渡してくれる。
それを受け取ったオレはその小切手をポーチに入れる。
これでこの小切手は銅貨90枚に変わるんだよな。
ゲームだけど不思議だ。
「薬草採取は常設依頼だし、ポーションの原料でもあるから受けてくれて助かるわぁ」
「いえいえ、オレらも駆け出し冒険者だし、こーゆーのからこなしていくのがセオリーなんだから当然っすよ!」
「そうは言っても、うちの常在冒険者はなかなか受けてくれないのよねぇ」
そう言ってため息をつくリームさん。
一応NPCの冒険者も50人くらい常在冒険者として居たりするんだよな。
そんで、都合が合えばそれらのNPC達ともパーティーを組めたり、仲良くなれば向こうからパーティーに誘ってきたりするらしい。
ま、オレらは6人居るから、これ以上パーティーメンバーを増やそうってつもりはないけどな!
でも、6人揃わないって時もあるかもしんねーしなー。
そーゆー時にNPC冒険者ともパーティー組んでみっかな!
「あ、そーそーリームさん」
「なんでしょう?」
「オレらさっきグレートボア見掛けたんだけどさー」
ガタタッ!
ガタガタッ!
ドンガラガッシャーン!
後ろからすっげー音が聞こえてきたんでビックリして振り向いちまったよ!
「な、なんだ!?」
そしたらさっきまで20人くらい居たプレイヤー冒険者達がみんな居なくなってた。
いや、1人だけギルドの入り口でコケてたけど、慌てて出て行ったよ。
なんなんだ? マジで。
「あー……、彼らはグレートボアを討伐しようと湧き待ちしてたんだろ」
悟志が言う。
グレートボアは『フィールドボス』ってヤツらしいからな。
誰かが倒すと15分待たないとリスポーンしないらしい。
リスポーンってのは倒されたモンスターがエリアに再投入される事な。
「だが、グレートボアは滝壺に落ちて死んだのではないのか?」
「多分なー。俺の方が先にくたばったから確定情報じゃねーけどな」
悟志と空牙の言葉を聞いて五月ちゃんがステータス画面を開き、それを後ろから美也子と恵麻が覗き込む。
「経験値は入ってないけどー?」
「そりゃあ、滝壺落としで経験値稼げたら楽過ぎんから倒した事にならねーんじゃね?」
「だとすると、すぐリスポーンしてる可能性もあるわねー」
「そうデスネ」
「でもアイツら、場所も聞かねーで行っちまったな」
言ってやるなよ、悟志。
「で、グレートボアを見掛けたのは森の中で?」
「そっすよ。薬草採取してたらグレートボアが木に突撃して木の実を枝から落としてる音を聞いてさ」
「結構近そうだったから私と桃弥とで偵察に行ったんですよ」
「んで、まぁ、事故でオレがコイツの胸をこんな風に揉んじまって見付かって追っ掛けられてさ」
と言いつつ美也子の胸を鷲掴みにしてふにふにと揉む。
あ、さっきより柔らかいわ。
「ーーーーーーーーーっ!」
バッチーン!
「あんたねぇ! おおお乙女の胸を気安く揉むんじゃないわよ!」
顔を真っ赤にした美也子の強烈なビンタがオレの右頬を後ろから直撃した。
後ろからビンタされたら当然ながら首が邪魔になるんで吹っ飛ばされ、隣の太ったおっさんのカウンターの向こうにあった壁に激突して、オレは意識を失った……。
あぁ、これで暫くオカズに困らねーわ……。