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第1話

なんちゃってVRで済みません!

あとMMOじゃなくMOで済みません!

あとは……色々済みません!



先に謝っておきます。m(._.)m

「にゅわああああぁぁぁぁ!」

「ひぃぃぃぃ!」

「こっちくんなあああああ!」

桃弥とうやのアホォォォォ!」

「ごめぇぇぇぇぇん!」

「にゃはははは!」


 イキナリですが大ピンチ中で済みません!

 何で大ピンチなのかって!?

 そんなの見りゃあ分かるだろ!

 でっけぇ猪型のモンスター・グレートボアに追い掛けられてるからだよ!

 何で追い掛けられてるのかって!?

 そいつぁな……。


「どーして桃弥のアホは肝心なトコで音立てちゃうのかなぁ!?」

「だから言ったじゃないか! 桃弥は行くなって!」

「オレだってワザとやってる訳じゃねー! それに大声出したのは美也子じゃねーか!」

「いいいイキナリ押し倒されて乙女のむむむ胸を鷲掴みされたら叫ぶに決まってんじゃない!」

「けっ! 絶壁女の胸なんか腹と変わんねーよ!」

「なぁぁぁぁぁんですってぇぇぇぇ!」

「だぁぁぁぁ! うっせぇ! 夫婦喧嘩は家でやれよ!」

「「誰と誰が夫婦だぁぁぁぁぁぁ!」」


 とまぁ、そーゆー訳だ!

 いや、まぁ、確かに美也子の胸は絶壁っぽく見えても柔らかくてフニフニしててすっげぇ気持ちよかっ……はっ!?

 そそそそーじゃなくってっ!


 詳しく説明すっと!

 オレらが森の中で薬草採取のクエストをこなしてたら結構近くで何かが樹木にぶつかったような大きな物音がしたんだ。

 冒険者ギルドでクエストを受諾した時に受付のおっぱいデケェねーちゃんから「最近森の中でグレートボアって言う大きな猪のモンスターが目撃されてるみたいだから気を付けてね」って言われてたから、オレと美也子の2人はこっそりと物音がした方を偵察しに行ったんだ。

 なんせ、オレはシーフで美也子はレンジャーだからな!

 どっちも斥候職っつって偵察とか追跡が得意なクラスだから、こーゆー時には率先して動くんだよ。

 ただまぁ、オレはどっちかってゆーと街中や遺跡なんかが活躍のメインで、美也子のレンジャーは野外や森の中なんかが活躍のメインだったりする。

 だから今回は美也子がメインで偵察するのが本当なんだけど、なんせオレらは今日冒険者ギルドに登録したばっかの初心者だらけのパーティーなんだ。

 それに美也子も一応女の子だから、男のオレが付いてった方が良いかと思ったんだ。

 その……心配だったから、さ。


 風下側を上手い具合に確保出来たから観察してみたら案の定グレートボアが居て、突進で木を揺らして落とした木の実をバリバリ喰ってやがったんた。

 そんでまぁ音の原因も分かったし今のオレらじゃグレートボアには太刀打ち出来ねぇから、みんなの所に戻ってもちっと距離取るように言おうって事になったんだが、物陰にはオレが片膝立て座り込んで美也子がオレの後ろに立って頭越しに覗き込んでたんだな。

 んで、立ち上がって振り返ったら何でか美也子がまだオレの方いたまま突っ立ってて、ぶつかりそうになったから避けようとしたら美也子も同じ方向に避けやがって、結果的に美也子を押し倒す結果になって、オレが手を着いた場所がたまたま美也子の胸だったって訳だ。

 まー、お約束っつーヤツだな!

 でまぁ、美也子が「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ! エッチ! スケベ! ヘンタイ!」って叫びながらオレをボッコボコに殴る蹴るの暴行を加え始めたら、当然ながらグレートボアに見付かっちまって追い掛けられ始めて、美也子のバカがみんなの所に走って行ったもんだからみんなでグレートボアに大追跡24時なう! って訳だ。

 以上っ! 説明終わりっ!


「そんな事より! どーすんのよ、これぇ!」

「コレってモンスタートレインでMPKになっちゃうんじゃないのぉ?」


 うわ! 言われてみれば確かにそーだ!

 ぽやぽやしてるよーに見えても流石はオレらのパーティーの知恵袋!

 マジシャンの五月ちゃん、ギャップ萌えぇぇ!

 ちなみに、五月って書いてメイって読むんだぜ!

 所謂いわゆるキラキラネームってヤツだな!

 マジシャンってのは魔法を使うクラスな!


「んーーーーー! しゃーねー!」

「どーした悟志さとし!」


 一番前を走ってたソードベアラーの悟志が声をあげる。

 ちなみに、ソードベアラーってのは剣使いのクラスだ。


「俺がアイツを引き付けるから、お前らはさっさと森を抜けろ!」

「「分かった!」」

「悟志カッケー!」

「さっ君ないすぅ♪」

「あなたの犠牲は20秒だけ忘れないわ!」

「お前ら、誰も俺を止めねーのな!」

「んなもんたりめーだろ!」

「こーゆー時に貧乏くじ引くのは悟志くんの役目だしね!」

「うん♪」


 みんな頷く。

 オレらは所謂幼馴染みってヤツで、みんなでバカやっては良く叱られてた。

 そん時にいっつも矢面やおもてに立たされるのが悟志なんだよなー。

 そんな悟志は「俺はみんなを守る盾になる!」っつって、クラスをソードベアラーに決めたっつってたな。

 将来的にはパラディン辺りを目指してんじゃねーの?

 ま、オレから言わせてもらえば、アイツはただのドMだがな!


 って事で、悟志は少しスピードを落として最後尾に移動すると、グレートボアに向かって左手の小さな盾・バックラーを投げ付けた。

 ソードベアラーになった時に使えるようになったばかりの2つのスキルの内の1つ、『シールドブーメラン』だ。


 悟志が投げたバックラーがグレートボアの眉間にクリーンヒット!

 バックラーが当たったグレートボアは一瞬頭を下げるが、すぐに頭をあげて唸り声をあげる。


「プゴーーーーー!」


 どーやらグレートボアは悟志に狙いを定めたようだ。


「カウントスリーで左右に散開後、南に向かって全速力だ!」

「「「「「了解!」」」」」

「ワン! ツー! スリー!」


 悟志のカウントスリーで左右に散開するオレらと、真っ直ぐ全速力で駆け抜ける悟志。

 グレートボアはオレらには目もくれずに悟志を追い掛けて行った。

 その後悟志は大回りで森の奥の方にUターンして行く。

 グレートボアが悟志を追い掛けて行ったのを確認したオレらは合流して、森の外へと一目散に駆け出した。

1週間くらいの集中連載になります。

生暖かい目で見守っていただけたら……。

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