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「ユーノ。……ここか?」

「違う、ルー。そこはっ…………いなのっ……。ぁあっ!」

「……まっ、……て……! ユーノ、急に……な……っ」

「っんん……ル、ルー、……ダメっ……!」

「って、ユーノちゃん!? 君達、真っ昼間からナニしてっ!?」

「ひゃぁっ!?」


 大きな声を上げたダンさんが勢いよく開けた扉の音にびっくりして、手に持っていたガラス瓶がバランスを崩して床に散らばった。




 ***********




 彼の名前はルー。名前が言い難くて覚えられなかったとか、そう言うのではないからねっ。

 妖精達はイーシャって呼んでたからそれが名前だと思っていたけど、違うみたい。私がそう呼んだら変な顔された。


「……私は、ルーネフティスだ……」

「るーねふ?」

「……ルーネフティス」

「るーねふてぃっしゅ……ったぁ。噛んだ」

「……。ルーでいい……」

「……ハイ。そうして貰えると助かります」


 ルーはゆっくり話す不思議な雰囲気の人。妖精たちとも仲が良いみたいだしね。

 森の中でそんなやり取りをして自己紹介が終わると、私は野草(ハーブ)を探していて迷子になった事と帰る道が分からない事を話した。

 そうしたら、妖精たちが知っているから大丈夫だって言ってくれて、野草も帰りの道も案内してくれた。


「ありがとうございます。本当に助かりました!」

「……いや、……役に立ったなら良かった……」

「ルーさんはどこに住んでるんですか?」

「……さんは、付けなくていい。……私はそこに住んでいる」


 そう言って指が示す方角は森の奥。え、森の中に住んでるの?


「……森、に住んでるんですか?」

「あぁ。……そうだが……?」

「一人で?」

「?」


 始まりの森には獰猛な獣がいるから男の人でも危ないってそれこそ口を酸っぱくして言われたし、複雑に入り組んだ場所で迷うとそのまま戻れない事もあるって聞いていた。

 それに、森の奥に人が住んでいるなんてヤトノー村では聞いたことがない。


「男の人でも森に一人だと危ないですよ?」

「いや……、私は……」

 ーイーシャ、ヒトリジャナイ!ーーー

 ーナイーーー

 ーボクタチ、イッショダヨ。オトメ?ーーー

 ーオトメイレバ、イッパイ!ーーー

 ーワタシタチトイッショーーー

 ーオトメモイッショ?ーーー


 話さないようにルーが言い聞かせていたけれど、我慢できなくなった妖精達がまた一斉に話し出した。


「わ、わわっ、落ち着いてっ。一斉に話したら分からないよっ」

「……お前達、困らせるな……」

 ーウン。ゴメンネーーー

 ーゴメンナサイ、オトメーーー

 ーオトメ、ゴメンネーーー



 そんな訳で、ルーを連れてヤトノー村に戻って来ると、帰りが遅いと心配したダンさんが森に探しに行こうとしていた所だった。なんだかんだで村に着いたのは日が暮れる少し前だったから。ごめんなさい、ダンさんっ。


 村長のフリオさんに事情を説明しようと家に行った時、ルーを見た村長(フリオ)さんが腰を抜かすんじゃないかってほど驚いて、付き添いで一緒に来ていたダンさんも私もビックリした。

 ルーと村長さんが小声で何か話すと、新しい家が見つかるまでは私が住んでいる家に住むって事で話が纏まったみたい。





 ***********




「……」

「……」

「……何か、ごめん。早とちりしたみたいだね」

「ダンさん、早とちりって?」

「いや、何て言うかほら、アレだよ、アレ! とにかくごめんねっ」


 早口で謝り、足元に転がってきた瓶を私に渡すと逃げるように去って行った。アレってなんだろう?

 首を傾げながらダンさんを見送って、散らばったガラス瓶を片付ける。


「もう、そこじゃないって言ったのに。ルー、その野草(ハーブ)は間違えやすいからこっちなの」

「っす、すまない」

「うん。次から気を付けてね?」

「分かった」


 一緒に住み始めて、いつの間にか敬語も取れてしまった。外見は28歳くらいに見えるんだけど、無垢っていうか世間知らずというか何ていうか……。子供をそのまま大人にしたような感じがする。子供って言ってもそこまで幼くはなくて。


 それと、少しずつ私の野草(ハーブ)集めも手伝ってもらっている。ほら、働かざる者食うべからずって言うでしょ?



「……暑いな……」

「動いてたからね〜。あ、庭に置いたヤツ持ってきてくれる?」

「あぁ……」


 手を休めて、着ていたシャツをパタパタさせながら庭に出たルーを眺めた。

短くなった(・・・・・)黒の髪が陽の光に反射してキラキラしていた。

 ふくらはぎまであった長い髪は、私の目の前でシュルシュル短くなったの! 初めて見る魔法に大興奮だったなぁ。

(いつ見てもルーの髪はキレイ……。同じものを使ってる筈なのにサラサラしてるし、羨ましいったらっっ)


 自分の癖のある髪をクイクイ引っぱっていたら、ユーノ、どうかしたのか? と上から声が降ってきた。


「ル、ルー。何でもないよ?」

「そうか……?」


 ルーに見られていた事が恥ずかしくなり、暑いね〜と誤魔化しながら作業に戻った。






しっかりしてそうで、案外うっかりなダンさんでした(笑)


ちなみに…、最初の会話


「ユーノ。……ここか?」

「違う、ルー。そこはっまちがいなのっ……。ぁあっ!」

「……まっ、待て……! ユーノ、急に動くな……っ」

「っんん……ル、ルー、それダメっ……!」


必死に止めたけど両手に抱える瓶のバランスが危うくて、どうしようもなかったゆりのでした(笑)


ここまでお読み頂きありがとうございました☆

誤字、脱字などございましたらご指摘下さいませ(^ ^)



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