~涙と歩~③
この小説はボーイズラブ作品です。
苦手な方は別の小説がありますのでそちらをおすすめいたします。
――――――――――――― あの日から2週間後の事 ――――――――――――
新しい年ももうそろそろ定着してこようとしてきた頃、涙は新学期の始まる学校の授業に出ず屋上で寝ていた。
「なんか面白いことな~いかな~?」
と屋上に寝そべっていると突然屋上の扉が開き誰かが入ってきた。
「涙!何サボってんだよ!!」
「る~い。」
屋上の扉を開けて入ってきたのは2人の背の高い男子だった。
「雲雨……と誰だっけ?」
「結城だ!」
と名前を忘れられ怒鳴るように涙に自分の名前を主張した。
「あぁ~ゆうきね……で?どうしたの?」
涙は何事もなかったかのように屋上に寝ころんだまま起き上がろうとしなかった。
「る~い。授業行かないの?」
「あぁ……。」
「わかった~」
涙の一つ返事で雲雨は屋上の扉に手をかけ帰ろうとすると結城がそれを止めた。
「結城?」
「いいのか?そんだけで通じてんのかぁ~?」
「大丈夫だよ。僕たちは授業あるだろ~」
といい屋上の扉を開けてゆっくり閉め涙を屋上に一人取り残し結城と雲雨は自分たちの授業に向かった。
結城達が授業に行ったのを完全に屋上から見送ると、涙は学校を飛び出した。
「面白いモノ~」
とつぶやきながら都心のど真ん中にそびえ立つ学校を抜け出し都会をぶらぶら散歩しながら街を散策していると、涙は信号待ちをしていると後ろから誰かに肩を叩かれた!
「誰だ!」
「俺だが?」
「あんた……正月の時の『自殺男』こんなとこで何してんだ?」
涙が歩に聞くと歩が涙に、
「キミこそ何してるんだ?まだ朝の10時だぞ?」
「散歩~。」
「学校は行かないのか?」
「面白くないからいい。勉強なら一人で出来るし……そっちこそこんなとこで何してんの?」
「仕事だよ!俺はコミック雑誌糸丸社の代表取締役の一人だよ。」
その言葉を聞いてこの前のファミレスでの無知具合とはものすごくかけ離れた各上の職業に少し動揺したが、いつもと同じように涙は歩に接した。
「へー知んなかった。なら余計自殺考えんなよな。」
と涙は歩の肩をポンッと押した。
すると、涙は信号が青になったので歩を置き去りにし走り出した。
「おぉ~い早く来いよ~渡たんねぇ~のかよぉ~?」
と歩に向かって笑いかける涙が不意にも可愛いと思ってしまった歩は少し顔を赤らめてしまった。
「わ……渡りますよ!!」
と言いそそくさと歩き出し涙を追い越した。
「お……ちょっと待てよ!!おぃ……どこ行くんだよ?!」
「仕事ですっ!!」
といい歩は早足で涙を交わしながら信号を渡り向こう側の道路まで渡り終えると歩は少し落ち着いて目の前に会ったベンチに座って休憩すると、向こうの方から涙が何かを持って歩に近づいてきた。
「ほい。これ食えよ。」
「なんだ!これは?!」
「クレープだよ。甘いの苦手だった?」
「いいや、好きだ。だが……このぺラいスイーツは見たことないな~」
歩はそういいながらクレープをじっくり観察しているのを見て涙は歩に、
「もしかして………」
「そのもしかしてだ!」
「………マジか…。」
と呆れたように涙が頭を抱えながらクレープを頬張るとその姿を物珍しそうに歩が観察しているのを涙が見て少し歩の事が可愛く見えてしまい頬が少しずつ赤く染まっていった。
「なんだ?頬が赤いぞキミ……熱でも………っ!」
「な!何でもない!!」
涙は歩にそう言いながら歩に背中を向けながら両手でクレープを包むように少しずつ頬張っていくのを歩は子供が物を覚えるように見よう見まねで涙と同じようにしてクレープを食べ始めた。
「どうやって食べるんだ?隠したら見えないではないか?!」
「いやだ!なんで見せなきゃいけねぇーんだよ!!」
と小競り合いをしていると歩のズボンのポケットに入っている携帯のマナーモードがベンチに振動として涙にも伝わった。
「なんか揺れてねぇ?」
「あぁ……私の携帯だろう。」
「出ないの?」
「出ないよ……。どっちにしろいいことじゃないしね私にかかってくる電話は……。」
「へー。じゃあ僕と………変わんないじゃん。」
と言われた歩は少し考え『はっ!』と気づき静かに涙に、
「そうか。そうだな………。」