第二十三話
「はぁ~。
綾、いつ戻ってきたんだ?」と香織が出て行ったのを確認して切り出す閃。
「ん、ついさっき。
転移の魔術を使ったの。」それに応じる綾。
「そっか。」
「それよりも・・・
また、夢見てたの?」
「・・・・・・・ああ。
久々に見た。」
「・・・あのね。
閃。」そう閃に呼びかける綾。
「ん?」
「辛かったら、いつでも言ってよ・・・
そうやって一人で苦しむのはやめて。
ずるいよ!
目の前で苦しんでる大切な人がいるのに、何もしてあげられなくて悔しい気持ちはあなただって知ってるでしょ・・・。
あなたが抱えてるものはあまりにも重すぎるんだから・・・。」閃の目を真っ直ぐ見ながら言い放つ綾。
「・・・。そっか、ゴメン、綾。
でも・・・
あまりにも重すぎるから・・・・
重いからこそ伝えられないんだよ。
俺は弱いから・・・
伝えすぎて、相手を壊すのが嫌なんだよ、怖いんだよ。」
「あなたは弱くなんか『弱いよ。』閃・・・。」
遮る閃。その眼には光などなく、ただ冷たい、無機質な眼があった。
「でも・・・
ありがとう、綾。
なんか、暖かったし助かった。
それに少しは気持ちは軽くなったから。
いつもはこの夢見た後、寝つけないからさ。
また、同じ夢を見るのが怖くて・・・
ホントッ、弱いよな~、俺って・・・。」
そう溜め息をつく閃。
その様子を見ていた綾が
「いつか・・・
いつかは話してよ。
あなたが抱えてるもの、全部抱えきれるくらい強くなるから・・・
絶対、話して。
約束して。」と言った。
「・・・・分かった。
ありがと。」
「バカ・・・
やっぱりズルいよ・・・」そう顔を赤くしつつ答える綾。
そう言ったところで、香織が持ってきた水を飲んで、いつもとは違って眠りにつけた閃だった。
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