砂漠の夢
砂漠の中で夢を見た。
高齢の方々が、森の中で愛しそうに木々を見ながら談笑していた。
太陽の眩しさを木の葉で和らげた優しい木漏れ日、木から発せられている爽やかな香り、かすかに感じる甘いかおりは、土や小さな花からだろうか?奇跡のような感覚に心が震えた。
この世界に、こんなにも美しい場所が存在するんだろうか?
目を覚ますと、砂漠の中にいた。
あの人達は魔法使いで、魔法で自分達が過ごすために美しい森を作ったのかもしれない。
でも、ぼくは魔法使いじゃないから、砂漠に静かに種をまいた。
砂漠の中で夢を見た。
研究者がキラキラした目で、砂漠でも植物が育ちやすくなる土を開発していた。
これで森が作れる、と思うと体中に喜びが駆け抜けた。
心の深いところから喜びが湧いてきて、頑張る苦労も、成果がなかなか出ない苦しみも、先が見えない絶望も全てが喜びに変わっていった。
目を覚ますと、やっぱり砂漠の中にいた。
植物が育ちやすくなる土があったら素敵だろうな、と憧れを抱いた。
でも、研究者じゃない僕は今日も砂漠に種をまいた。
砂漠の中で夢を見た。
僕と仲間が一緒に砂漠に種を撒いていた。
同じ夢を持つ仲間と考え合って話し合って一緒に行動するのは、なんて力が湧いてくるんだろ。
目を覚ますと、今は砂漠の中に一人でいた。
仲間が出来たら良いなと願いながら、今日も砂漠に種をまいた。




