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神話の戦士と今の勇者  作者: サン
エピローグ

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最終回 時代は移り、変わりゆく

レイナがノワールを倒した数カ月後、レイナはノワールのいた要塞へと足を運んでいた。


前回、ノワールを倒しに来た時と違い、旅人のような、というよりもまんま旅人の装備をしてきていた。


「やっと着いた……! いやぁ~。勇者様勇者様って中々解放されなかったからなぁ……。さて、あれを回収していきますか。」


レイナがなぜここにいるかというと武器のためだった。

ノワールとの戦いでカタナは完全に折られてしまっていた。

持ち帰って高名な武器鍛冶屋に見てもらったがとてもだが直せそうにないそうだ。

よほど高度な技術が使われているらしい。


結果的にレイナは武器を一つも持っていない。

各地の問題を解決する旅に出るとなるとあちこちで色々な魔物を討伐することもあるだろうから強力な武器が必要なのだ。


カタナほどのものまでは要求しない。

あれはレイナの剣術とも相性が良かったし付与されている魔法も完璧だったためあれ以上は存在しないだろう。

あれはまさにレイナのためだけの武器だった。


そんなこんなで考えついたのはノワールが使っていた朱色の剣だ。

あれならレイナの使っていたカタナとも勝るとも劣らない品質だ。

ノワールを倒した後、回収していなかったのでまだこの要塞に残っているはずなので旅の最初の目的地はここになったのだ。


本来ならすぐ行きたかったが世界を救った勇者がそんな簡単に動けるわけもない。

こういう時、権力というものは不便である。


「さ〜て。ちゃんと残ってるよね……?」


数カ月前からずっと放置されているのでちゃんと残っているか少々不安だった。

普通の戦場でなら死体漁りや盗賊がすぐさま掻っ攫っていくがここならそんな人間もさすがに来ないだろう。


瘴気が消えたことで元の暗さは無くなり、清々しいまでの晴天が広がっていた。


そんな空の下、レイナは要塞を歩いていた。

今までは瘴気のせいで崩落が遅れていたのか瘴気が無くなった今、崩落が急激に進みノワールの騎士団が補強した城壁などは数カ月の間に全て元通りになっていた。


しばらくしてノワールと戦った頂上に着いた。


そこは数カ月前には暗い空の下、漆黒の騎士が暗闇の中の炎のようにも見えた朱色の剣を持っていた。

だが今は漆黒の鎧だけが朱色の剣にもたれかかるようにして地に伏せていた。


「剣は……心配するだけ無駄か。」


朱色の剣は数カ月前と変わらず使い込まれた剣特有の光沢をまとっていた。


だが持ち主を失ったからかどこか寂しそうだった。


「…………貰っていきます。」


元の持ち主、怨念に塗れた魂ではなく高潔な魂の騎士に一言断りを入れて剣を握った。


その時、どこからともかく声が聞こえた。

声というには不確かで不鮮明だったためただの空耳だったのかもしれない。


だがこう、聞こえた。


―ありがとう―


誰がどのような意図で何のために発したかは声からは分からない。

だが、予想だけはできた。


きっといろんな気持ちがあって、言い表せないほどの想いがあったために、結果的にでたのがあの一言なのだろう。


それを聞きレイナは呟くように言った。


「どうか安らかに。そしてこちらこそありがとうございました。」


届いたのかは分からないがきっと想いは届いたのだろう。

一陣の風がレイナの背中を押すように優しく、静かに吹いていた。


レイナは突き刺さっていた朱色の剣を引き抜き頼もしい重さを感じ、鎧に付いていた鞘も貰った。

そしてすぐに出発することにした。


「さて、じゃあ出発しよう。まずは――」


その後、レイナは各地を周り、数々の人間を守った人間として語り継がれることとなった。


その腰には朱色の片手剣と半ば折れてもなお輝いていたカタナがあった。


以上でこの作品は完結とさせていただきます!

ここまで読んでくださりありがとうございました。

ここまで続けられるとは当初はあまり期待していませんでしたが数々の読者に見ていただき、楽しかったです!

これからも新しい作品は投稿していこうと思っています。

新作は1週間後になる予定です。

次の作品は過去編でカルドとカーネの生きていた頃の物語です!

ぜひ読んでください!

改めて今までありがとうございました!


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