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神話の戦士と今の勇者  作者: サン
最終章 堕ちた英霊

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第八十一話 追想

ノワールからドス黒い瘴気が放出されていき、段々とその勢いは落ちていった。


レイナが戸惑っていると瘴気が収まった。


そこには瘴気のヘドロを滴らせて血を流しているかのようにも見えるノワールがいた。

どうやらレイナのカタナがノワールの心臓に位置する部分に当たったことでノワールは形状を保つことが難しくなっているらしい。


少しすると黒い部分が剥がれ落ちていき中から白い光が漏れ出した。

そして完全に剥がれ落ちるとそこには人類を滅ぼそうとしている存在だったものとは似ても似つかないものがあった。


鎧を纏った騎士ということは変わらないが中身がヘドロのような体ではなく邪悪の気配が無く、悪霊から生前がごく普通の人間だった幽霊に変わったような感じだった。

経験豊富な剣士といった雰囲気を纏う顔だ。


するとノワールが苦しんでいるのか頭を抱え始めた。

少しするとぐったりとした状態でゆっくりと口を開いた。


「ああ……思い出した……全て……俺はこんなことも忘れていたのか……。」


先程までとは違って声から憎しみなどの感情は感じられない。


「……絶対に忘れないと誓っていたというのに……。」


その呟きを聞いてレイナが身構えた状態のままノワールに聞く。


「……私は貴方に聞きたいことがあるの。もしかしたら今貴方が思い出したことと関係あるかもしれない。だから教えて。貴方は何を忘れていたの? そして過去に何があったの?」


それを聞くと少し躊躇ったがすぐに話し始めた。


「……恐らく君の予想通りさ。俺も全ては思い出していないのだが少しは話せる。……君になら話してもいいだろう……。彼女の子孫の君にならば……。俺の本当の名前はカルド・ノイバラ。数千年前のとある国の四つある騎士団の内の一つの騎士団長だった。……そして君の祖先の人間のカーネ・カルミアは俺の後輩であり、部下であり、仲間であり、そして……恋人だった。」


そこからノワール、改めカルドは過去のことを告白していった。


「彼女は軍に志願してきた旅人だった。そして彼女は訓練も兼ねて俺の部下として配属された。彼女は天才だった。カタナを自由自在に操り、他の同期の訓練生を圧倒していた。そして彼女が入軍してしばらくして……。」


そこで一拍置いて重々しく口を開いた。


「戦争が始まった。酷い戦争だった。……彼女はあの戦争で活躍した。ただの訓練生だったのに次々に出世していきすぐに別の騎士団の副騎士団長になった。それからすぐに戦況が悪くなってきた。そして西からの侵略の対策にこの要塞を本部とした防衛部隊として俺の騎士団と彼女の騎士団の部隊が配属された。そこから戦争はさらに長引いた。……圧倒的な戦力差に戦線は後退せざるをえなかった。そしてついに要塞まで追い詰められた。俺たちは最後の賭けに出た。カーネの率いる騎士団は敵の大将へ奇襲を仕掛け、俺の騎士団はこの要塞で敵のほぼ全ての部隊を引きつけるという作戦だった……そして作戦は成功し、敵は大将を失ったことで退却した。だが代償に俺は死に、騎士団は全滅した。そこで俺の人生は終わる……はずだった。」


カルドは話しを終わらせずさらに続けて言う。


「俺と俺の騎士団はなぜかアンデッドへとなった。その時には死んだ時から既に百年が経過しており知っている人間は誰も生き残っていなかった。俺は考えた。どうするかを考えた。人間を襲うなんてしたくなかった。そして思いついたのは瘴気のことだ。今の時代よりも当時は今と比べてアンデッドが猛威を振るっていた。今よりもアンデッドが多く、一体一体が強力だった。それで思いついたのは俺たちが瘴気を吸い込みそれを人間に聖魔法で消してもらうということだ。それなら安全だしアンデッドは倒されても瘴気を死んだ時に放出してしまうから結果的には瘴気がほとんど減らないからそれよりも効率が良い。そして苦労はありつつもそれは成功した。数百年はそれでうまくいって人間とも協力できていた。だがその時戦争が始まった。それで聖魔法使いは来なくなってしまい俺たちのことも忘れ去られた。さらに戦争で生まれた瘴気で急激に瘴気に飲み込まれた。そして怨嗟の声に飲み込まれそうになってきた。制御もできなくなっていった。自殺もできなかった。そしてお前達が初代勇者と呼んでいる人間と出会った時には意識をぎりぎりで保っている状態で時々、声に乗っ取られるほどの状態だった。そして俺は封印された。それから数千年経ち今に至る……これで話は終わりだ。」

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