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神話の戦士と今の勇者  作者: サン
最終章 堕ちた英霊

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第八十話 血戦

レイナとノワールの戦いはより一層熾烈になっていた。

レイナの態度が気に食わなかったのかノワールは剣、スキル、魔法をフルで使ってレイナを追い詰め始めていた。


だがレイナはそれらにも対応できるようになってきていた。


「ちっ!」


ノワールが舌打ちしながらさらに魔法を発動させる。

すると突然レイナの視界が暗くなった。


アンデッド系の上位の魔物や魔族しか使えない呪詛という魔法の一種の暗黒というものだ。


視界が暗くなり短い間だが目が使えないという恐ろしい魔法であり聖魔法でしか解呪できない。

そして魔法をかけた相手はアンデッド系の魔物の最上位の存在のノワールなのだ。

とてもだが魔法ど素人のレイナでは高レベルスキルがあっても解けない。


(くっ! 視界が!!)


するとすぐ後ろから殺気を感じた。

すぐに真後ろへ向かってカタナを振った。

するとカキンという金属音がしてカタナが止まった。


どうやらつい先程まで前にいたはずのノワールがロンも言っていたスキルで後ろまで移動していたらしい。


ノワールがさらに苛立ったような声を出す。

今ので首を刈り取る自信があったのだろう。


さらに追撃を入れようと素早く剣を戻して防御しにくい突きの構えようとしている気配がした。

半分はノワールならそうするだろうという勘だ。


戻す剣に合わせてレイナもノワールの懐に潜り込んだ。


ノワールが息を呑む音が耳元で聞こえた。

問題なく予想通りにノワールの懐に潜り込めたようだ。


そして腰に下げていたカタナで斬り上げた。


ほんの少しだけカタナが金属に掠った感触があった。


ジャンプした音が聞こえたため飛び退いて避けたらしい。


気配察知のスキルは気配を消すスキルでもあるのか通用しないため場所が分からず追撃はできない。


なのでどこから来られても対応できるようにカタナを腰だめに構えておく。


どうせ目は見えないので目を閉じて耳に全神経を集中させる。


右横から雪を踏みしめる音が聞こえる。

少しずつ近づいている気配がするが仕掛けるタイミングまでは分からない。


足音の間隔が少しずつ短くなり――一瞬止まった。

仕掛けるための踏み込みの溜めだ。


だが敵の攻撃まで自分が待たないといけないなんてルールは無い。


右へ急旋回するとカタナを抜き放ち大きく一歩踏み出しながら今までで最も速い突きの一撃を放った。


そしてガキッっという音と金属がカタナの衝撃から抵抗するような感触があった。

金属はカタナの刃を頑として受け付けようとしない。


「うぐっ……私は、私は! 私は勝つんだ……! うあああぁぁぁ!!」


レイナは気合の声を出すと剣に込める力を強めた。


そしてピシッという音がして抵抗が無くなった。


ちょうど魔法の効果時間が解けたのか視界が開けていく。


そこにはノワールが少し離れたところで左手の盾を前に構えて立っていた。

どうやらレイナの突きを盾で受け止めて少し吹き飛ばされたらしい。


なぜノワールは立ったまま動かないのかと思った次の瞬間、ノワールの盾に亀裂が走り、音もなく砕け散った。


「…………なぜそんなに強い。貴様はどんどん俺の動きに慣れている。なぜ、なぜなんだ?」


震えるような声からは心の底からの困惑と怯えが見えた。


「私はこれからもこの世界で生き続ける。貴方にこの世界の未来を奪わせるわけにはいかない……!」


ノワールはそれを聞くと話すことは無いと言わんばかりに無言で左手に持っていた砕け散った盾の持ち手を放り投げると右手の剣を両手で持ち剣先をレイナに向けた。


これで決着をつけるつもりなのだろう。


レイナもカタナを構え、まっすぐとノワールを見つめた。


お互いが間合いの読み合いをしながらジリジリと距離を詰めていく。


そしてノワールが一歩踏み出しかけた。

フェイントだ。


経験の浅いレイナはあっさりと引っかかった。

そしてレイナは反射的にノワールへ斬りかかっていた。


(しまった!)


だが今更止まることはできない。

変に立ち止まれば切り捨てられるだけだ。

こうなった以上、全力でカタナを振り切るしか無かった。


だが、ノワールはあっさりと剣でカタナを弾き返し、カタナを弾き返されて隙だらけになったレイナを鋭い一撃で左肩から右腰までをざっくりと袈裟斬りにした。

かなり深く斬り裂いていた。

心臓まで届いているほどの深手だ。


レイナが赤い鮮血を流しながら倒れていく。


そして、集中しているためかスローモーションに見える世界でレイナの二つの目がノワールを捉えていた。


ノワールがそれに気づいた時、レイナは崩れ落ちることはなく、踏みとどまり立ち上がるとノワールの心臓の位置へとカタナを突き刺した。


ノワールの鎧をカタナはあっさりと貫いていた。


ノワールは驚愕に埋め尽くされていた。


「あっ? な、なぜ…………。」


理解できないのかノワールは驚愕の声を出しながら膝を地面について崩れ落ちた。


レイナも自分がなぜ生き残っているのか驚いていた。


後に知ることだがレイナはスキル『勇者』の効果のおかげで致命傷を避けられていた。

スキル『勇者』のスキルレベル上昇の条件は英雄的行動をすること。

レイナは人類を滅ぼそうとしている魔物と戦うことでスキルレベルが上がっていたのだ。


その時、膝をついたノワールからドス黒い瘴気が放出された。

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