表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神話の戦士と今の勇者  作者: サン
最終章 堕ちた英霊

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/79

第七十六話 神話の戦士と今の勇者

門の奥には完全武装のアンデッドの騎士たちが待ち受けていた。

だがさすがに鋳鉄の門が少しの足止めにすらならないとは思っていなかったのかやや動揺したがレイナを見てすぐに武器を構えた。


レイナに一番近い騎士が重武装のわりに素早い動きでレイナに近づいて両手斧を振り下ろした。


レイナはいっさい焦らず持っていたカタナを振るった。

それだけで騎士は斧の柄ごと切り裂かれていた。


周りの騎士達は仲間が殺れても冷静にすぐさまレイナを殺そうと襲いかかる。

一流の騎士、あるいは戦士らしい連携でレイナを囲むと一斉に手に馴染んでいる自分の武器を振り下ろした。


次の瞬間、レイナは目にも止まらぬ早業で回転しながら全方向の敵へカタナを振った。


騎士達は一瞬だけ体が止まると次の瞬間には膝から崩れ落ちていた。


レイナが使っているカタナはとある魔法が込められている。


その魔法の効果はどんなものでも切れるようになるというもの。

単純な切れ味が上がるわけではなく、本来なら切れないもの、つまり魂や物理属性では無い魔法などを切ることができるようになっているのだ。


結果、レイナは本来なら特殊な方法でなければ倒せないアンデッドが相手でも普通の人間と戦うのと同じような感覚で戦うことができた。


「次は?」


淡々とした言葉にアンデッドの騎士達から一瞬怯えが見えた。

だがすぐさま取り囲み波状攻撃を繰り返す。

その後も手を変え品を変えレイナを殺そうと迫るがどれもことごとく失敗する。


「次、次、次!」


騎士達も次々と倒れていく。

ジャベリンを投げつけたり長槍を持った兵士で囲んだり広範囲の魔法で纏めて焼き払おうとしたりした。

だが全てレイナは完璧に対応した。


しばらくすると魔力がようやく回復したギルがやってきた。


「大丈夫そうか!? …………大丈夫そうだな……。」


レイナの奮闘を見て少し勢いを削がれるような気分になったギルだが気を取り直してレイナのすぐ横に並ぶ。


「俺がこいつらの気を引いておくからお前がノワールのところに行ってこい! 俺は対集団戦は得意だけど一対一は微妙だからな!」

「分かった!」


少し言葉を交わすとレイナは要塞の奥へ一気に走り始めた。

当然ながら騎士達は止めようとするがとんでもなく高温の炎を纏っているギル相手だと接近戦では分が悪いためレイナを満足に妨害することはできずついにレイナは包囲網から脱出するのだった。


「さあて。俺がお前らの相手だぁ!」


ギルはそう言い放ち近くの騎士へと飛びかかるのだった。




包囲網を突破したレイナは稀に妨害してくる騎士を斬り捨ててしばらく走ってようやく最奥まで辿り着いた。

ギルのおかげでほとんどの騎士が追撃できておらず元々待ち構えていた騎士のみだったので比較的少ない戦闘に抑えられたのだ。


そして要塞の中央の城の頂上までやってきた。

そこには十人以上の魔法使いがいた。


そしてその中央には魔力がいっさい感じられない黒い鎧が膝をついていた。


「えっ!?」


状況がよく理解できず困惑する。

なにせいるはずだったノワールは封印されたままなのか動いていないしそれを囲むようにしてなにかの魔法をずっと唱えている魔法使いも意味が分からなかった。


だがレイナは何となく嫌な予感に襲われた。

魔法使い達から放出される魔力がどんどん増加していることに気づいたのだ。

恐らく魔法が完成しそうなのだろう。

すぐさま魔法使いを切り捨てた。


だが切り捨てたまさにその次の瞬間だった。

突然、鎧から禍々しい魔力、つまり瘴気が溢れ出てきた。

すぐに鎧にカタナを突き刺そうとするが殺気を感じ、すぐに後ろへ飛び退く。


するとレイナが立っていた場所には闇魔法によって出てきた槍が何本も突き刺さっていた。


そして鎧がゆっくりと立ち上がった。


「ハハハハハハハハ!! 今度こそ! 完全に復活した! ようやくだ!」


溢れ出でる瘴気にレイナは冷や汗をかく。

唾を飲み込みカタナを向ける。


「ああ、長かったなぁ! …………人間? なぜここにいる? ……ああ、なるほど。ヴィヨレとヴェールは死んだか。なるほどなぁ。まさか死ぬとはな。ヴィヨレはともかくヴェールが死ぬとは思わなかった。どうせ人類が負けると思ったのだがなぁ。……にしても人間にしては強そうだ。」

「…………。」

「まあいい。ここまで来れたんだ。名乗っておいてやろう! 俺の名前はノワール! 人類へ復讐するために蘇ったアンデッドだ! お前の名前は何だ?」


その時、残っていた結界魔法の欠片も完全に剥がれ落ちた。

ノワールからより一層夜の暗闇のような瘴気が吹き出し、空を覆い尽くしていく。

たちまちケルグ山脈は薄暗い山脈へと変貌した。


そして瘴気の一部が凝縮されヘドロのようになり、それが人型になり鎧の中に現れた。


その時、レイナは新たなスキルを手に入れた。 

実はレイナはロンから全てのスキルを継承したわけでは無い。

それがスキル『勇者』。

スキル『継承』はスキルを他人に譲るものだがごく一部の例外があり、その例外のスキルは渡せない。

そのスキルのうちの一つがこれだ。


スキル『勇者』の取得条件は三つ。

一つ、正しいことをしようとする心がある者。

一つ、それ相応の力がある者。

一つ、人類に仇なす敵、しかもこのままでは人類が敗北するほどの強大な敵がいること。


そしてレイナは1つ目と2つ目は達成していた。

3つ目だけが達成していなかった。


ヴィヨレもヴェールも確かに強大だ。

だがロンがいた。

ロンがいる限り被害は大きいだろうが少なくとも人類が滅びることは無い。

だがロンは弱体化し、さらには魔王はもちろん今まで出てきたありとあらゆる厄災で最も強力な存在が出現した。

結果的にレイナはこのスキルを手に入れた。


そしてレイナはなぜか感覚でスキル『勇者』を手に入れたことを悟った。

先代であるロンもその前も、そのまた前もそうだった。


「私はレイナ・カルミア。先代勇者ロンの弟子であり、今の勇者! そして貴方を倒す者!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ