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神話の戦士と今の勇者  作者: サン
最終章 堕ちた英霊

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第七十三話 白銀の行軍

―3日後―


真っ白な雪の降るケルグ山脈に足音が響いていた。

それは2()()()()()だった。


「…………。」

「……正午。作戦開始時間だな。」


とても遠くから角笛が鳴った。


「……急ごうか。」


レイナの声で2人はまた黙り込んで歩き始めた。


―2日前―


「何? ケルグ山脈に入れない?」


そう言ったのはドルド将軍だ。

話している相手はケルグ山脈の様子を偵察させていた部隊の隊長だった。


「はい。高濃度の瘴気で満たされていてとてもですが手が出せません。」

「瘴気か……どれくらいのレベルの者なら耐えられそうだ?」

「私でぎりぎりです。体調を少々崩しましたよ。」

「う〜む。そのレベルで瘴気の影響があるのか……。」


瘴気のせいで若干体調を崩しているこの部隊隊長は魔王軍との戦争の時から前線で戦っていた精鋭だ。

レベルもかなり高いため瘴気の影響もかなり抑えられているはずなのにしんどそうだ。


「君のレベルから考えるにまったく影響が出ないレベルは…………。」

「60レベル以上……ですかね。」

「しかも普通に考えて奥地に行けば行くほど瘴気は濃い……となると外周部分でこれなら奥地は80レベルで最低…………。」

「そんな人間、いませんね。60レベルですらほぼいないのに。」

「……ひとまずこの情報を皆に共有しておこう。」


―数十分後―


「ってことは俺とレイナが行くことになりそうだな。」


一通りの情報を聞いたギルがそう言う。


「けど私とギルだけで行っても数の暴力で押し潰されますよね? 何か作戦は?」


レイナの言葉にドルド将軍が答える。


「レイナ君の言う通り、何かしら作戦がいる。……先に敵の戦力を説明しておこう。敵の主力は黒色で統一している装備を装着してる騎士団だ。ノワールとその騎士団が一番の強敵になる。だがそれ以外にも敵がいる。」

「そんなのいたか?」


ギルが首を傾げるがレイナは思い出したようだった。


「ノワールのいる要塞の周りに蔓延るアンデッド軍団だ。」

「そういえば勇者様が言ってましたね。」

「一体一体はごく普通の低級アンデッドなのだが数がな…………。」

「どれくらいいるんですか?」

「百万。」

「「百万!?」」


レイナとギルが心の底から驚愕する。


「こちらの戦力は二十万ですよね!?」

「ご、5倍…………。」


ギルも愕然とする。


「しかもいくら弱いといっても普通の兵士くらいには強い……。」

「質もあまり勝てては無いと…………これ勝てる?」

「…………一応、手はある。」

「どんな手ですか?」

「アンデッドの大半は強力な魔物……この場合はノワールによってアンデッド化された連中で召喚した個体が死ねば全員ただの死体に戻る。」

「ってことは……?」

「作戦はこうだ。まずはレイナ君とギル君でノワールを倒しに行く。その間、我々がアンデッドの軍団をおびき寄せ、ひたすら時間稼ぎをする。まあ、作戦とも言えんような代物だがな。」

「けどまあそれが一番良いでしょうね。」

「どうやっておびき寄せるんだ?」

「それには考えがある。」

「じゃあ作戦決行はいつでしょうか。」

「2日後で変更は無し。正午に決行だ。」

「「了解!」」


こうして作戦開始よりも少し早く出発した2人は隠密行動をしながら順調にノワールの元へと向かうのだった。

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