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神話の戦士と今の勇者  作者: サン
最終章 堕ちた英霊

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第七十二話 過ぎ去った歴史

しばらくしてレイナはひとまずは冷静になった。


(一体これはどういう状況なんだろう……?)


周りを見渡すが雪に覆われた山脈があるだけだ。

そしてついでに言うと何故か雪に触っても冷たくない。

物音もしない。

雪の上を歩いているはずなのに足音がまったく無いのだ。


(ひとまず何かないか探してみよう……。)


そう思い立つとレイナは歩き始めた。

そのうちあたりが暗くなった。

気づいた時にはすでに夕方だったとはいえ時間が経つのがやや速い気がする。

動物と一度も会わずに真っ赤な山々を幾つか越えると遠くに始めての赤以外の色が見えた。


(あれは……?)


すぐに近づいていくと段々と姿が見えてきた。

それは要塞だった。

黒地に金色の龍が描かれている旗が塔には取り付けられている。

夜の暗闇の中にその要塞だけが明るく光っていた。


少ししてレイナは要塞の城門までたどり着いた。

何故だかその城門は開いていた。

その城門の中からは全てを受け入れるような優しい光が漏れ出ていた。


それに引き寄せられるようにレイナは城門をくぐった。


そこには多くの人間がいた。

多くの黒色の騎士達と黒色の騎士よりも少数の赤色の騎士達が楽しく話しているようだった。

ようだったというのは音が聞こえないからだ。

口を開いて何かを話しているのに音は聞こえないのだ。

さらには何故か顔も見えない。

ぼやけており見えそうで見えない。


(彼らは何者……?)


騎士達はレイナに気づいていない。

そもそもレイナが見えないのかどれだけ近づいても気づかれないのだ。


その時、ようやくレイナはこれが夢だと気づいた。

最近よく見ている誰かが剣を振るう夢やその誰かがノワールらしき人物と戦っている夢と同じで自分は一切関与できず、登場する人物の顔も見れない。


(だけどこんな夢は始めて……。こんなに長い夢だったことはないし今までは戦っている場面しか無かったしなによりこんなに楽しそうで平和な光景……。しかも今までは狭い範囲だったのに今回は山脈が入るほどの広さ…………山脈? まさかここはケルグ山脈? ということはこの要塞はまさか…………。)


その時、かすかに音が聞こえた。


(この音……上のほうから聞こえる……。)


どうやら要塞の上のほうから音が聞こえてるようだ。

少し考えてからレイナは要塞を上がり始めた。


あちこちで黒色の騎士達と赤色の騎士達が輪になって酒を飲み交わしたり談笑したり一緒に食事をしたり武器を見せ合ったりもしているし楽器で演奏を披露している人間もいる。


しばらくして要塞の上のほうに辿り着くと人がいなくなり始め、音の出どころも近づいてきた。


そしてついに要塞の頂上についた。

そこには2人の人間が立っていた。


長身で体格のいい黒色の騎士とそれに寄り添うように立っている赤色の鎧を着てる少し背の低い長い黒髪の女騎士だった。

その黒髪の女騎士のほうは湾曲している細身の剣、カタナを腰に下げていた。


2人のうち、女のほうから音は鳴っていた。

それは歌だった。

静かで、優しくて、穏やかな歌だ。


そしてその2人には見覚えがあった。


前に見た夢で戦っていた2人だ。

あの夢と違って女性が元々は旅人のような見た目だったのに今はちゃんとした装備を着ている。


なぜ戦っていた2人が一緒にいるのかと疑問を持ち、それについて考えようとする前に突然、世界が真っ暗になった。


光が戻った時には城門付近にいた。


周りを見渡すと城門から赤色の鎧を着た騎士達が馬に跨り、外へ出ていくところだった。

何故か彼らは顔に手を当てて涙を堪えていた。


その周りや城壁の上には騎士達が手を振ったりして優しげな表情で見送っていた。


そしてこの場には歌っていたあの女もいた。


歌を歌っていたあの女騎士は馬に乗って他の騎士達と同じように外へと出ていっていた。

最後に後ろへ振り返り城壁の上にいたあの黒色の騎士を見つめると立ち去っていった。


そこでまた世界が暗転して景色が変化する。


今度は戦場だった。


赤色の鎧を着た騎士達が様々な鎧を着た連合軍らしき軍団と戦っていた。

その先頭ではあの女騎士がカタナを振るって戦っていた。


そしてさらに景色が変化する。


また要塞に戻ったようだ。


だが雰囲気はまったくの別物だった。

赤色の騎士達が嘆き悲しみ、蹲って頭を抱えている人間までいた。

そしてあの女騎士も涙を流していた。

彼女達の視線の先には大量の墓標があった。


そこで夢は終わった。

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