第四十八話 運命の別れ道
ロンはとあることに思い出した。
ついに3体の魔物の内の2体が復活する時期が近づいていることだ。
大陸の間の海を移動したりもするので訓練は切り上げて配置を決めたりその配置に移動し始めなければ間に合わなくなる。
なのですぐにケルグ山脈へ行っているレイナを呼び戻した。
数日後、レイナが帰還したため勇者候補の3人との情報共有を始めた。
ロンが話し始める。
「皆わかっているだろうがついにあの魔物達の封印が解ける時期が近づいている。移動時間も考えるともうこの砦から出発して配置につく必要がある。」
レイナ、ミネ、ギルが頷きながら聞く。
それを確認しながらロンは話を続ける。
「なので3人の配置を言おう。レイナとミネはヴィヨレ。俺とギルはヴェールを担当する。」
3人ともまったく予想していなかった配置なのか驚いている。
特にロンと同じ場所になるギルはかなり驚いている。
「俺とお前が同じ場所!?」
「まあね。ヴェールは草木を操る精霊らしいから炎を操れるギルは相性がいいし俺も炎魔法は使えるから。」
ミネが質問をする。
「ではこちらの組み合わせは?」
「2人とも毒耐性のスキル持ちだからっていうのが一番の理由。あと2人とも速度が速いから毒がないなら広範囲攻撃がかなり少ないヴィヨレとの戦いのほうが速度を活かせる。レイナはヴィヨレの子供と戦ったこともあるから多少経験を活かせるだろうしミネは新しいスキルがヴィヨレと相性がいいだろうから。」
ミネが手に入れた新スキル『無情』の効果は敵の視界外から攻撃した時に敵の防具、スキル、魔法、魔導具の特殊効果などを全て貫通して傷を与えられるというものだった。
このスキルの前には防御など無意味だ。
ロンが調べたところヴィヨレはとてつもなく硬い外殻に覆われているらしく普通の攻撃はほとんど貫くことができず一切効かないのだそうだ。
なのでその防御を突破できるミネは適任だと判断されたのだ。
ミネもロンの説明を聞いて納得したらしく何も言わなくなる。
レイナは納得はしているがロンと会えないので少しだけ悲しそうだ。
ひとまずは全員理解したことをロンは確認して作戦について説明する。
「では次に3体の魔物達を討伐する際の作戦を説明しよう。まず最初にヴィヨレとヴェールが復活するのでその二カ所に戦力を分散させて各個撃破する。本当なら分散せせないほうがいいんだけど数の暴力が通じるような相手でもないからね……ヴィヨレの場所には毒耐性のスキル持ちを配置してヴィヨレの配下を殺してレイナとミネはヴィヨレ本体を倒す。ヴェールのほうは火魔法をつかえる人間をできる限り集めて森ごと焼き払う。」
「森ごと!?」
ギルが驚きの声を上げる。
「そうでもしないと倒せないからね……森が無くなればあの森の魔物は大してつよくないし。その後は火魔法で集中砲火する。……けど間違いなくそんなにうまくいかないのでヴィヨレのほうもヴェールのほうも結局は状況に合わせていくしかないね。」
「ようは生き当たりばったりなんですね……。」
レイナが呆れたような声を上げるがロンは降参というように両手を上げる。
「仕方がないよ。だって情報がほとんどないんだもの。頑張って調べたけど戦況が変わるようなものは無かったしね……そしてヴィヨレとヴェールをなんとか両方倒せれたらできる限りの戦力をノワールに全てぶつける。ノワールは軍隊を率いているから質よりも数が重要になると思われるからだ。ここまでで何か質問は?」
レイナが手を上げる。
「ノワールの封印が解けるのって他の2体とどれくらいズレているんですか? それによっては戦力をノワールのいる場所に集めるのが間に合わないと思うんですけど。」
「それは大丈夫。俺がかけた魔法だからあとどれくらい保てるかくらいは分かる。他の2体よりも大体一ヶ月は後なはずだ。」
全員質問はもうないのか黙り込んだ。
それを見てロンは口を開く。
「じゃあ全員それぞれの配置につこう。次はノワール戦の時にまた会おう。」
そして四人はそれぞれの場所へ向かった。
ロンはとあることを考えていた。
恐らくこれで永遠の別れになる者がいるだろうと。
ここが運命の別れ道なのだ。




