表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神話の戦士と今の勇者  作者: サン
第三章 最後の休憩

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/70

第四十二話 ケルグ山脈の獣達


レイナ視点です


ロンが昔の書物や資料を見ている時、レイナはロンに言われてケルグ山脈に行っていた。


「ここがノワールが封印されているケルグ山脈か〜。こんな感じなんだ。」


レイナのケルグ山脈の第一印象は「綺麗」、だった。

雪が夏だろうが降るほどの寒さのため遠くから見ると真っ白な布がかけられているように見える。

どの山もとても高い。


「遠目に見るとどこにでもありそうな山脈ね……。」


ケルグ山脈にノワールがいると判明して近くに偵察や研究の目的で建てられた前哨基地に挨拶をするとレイナはすぐに山脈へ入っていった。


するとすぐに魔物が現れる。

それらと戦うとすぐにこの山脈の恐ろしさの理由がわかった。


単純に魔物が強いのだ。


ヴェールがいた樹海の魔物は奇襲なら強かったが普通に戦えば弱かった。

ヴィヨレがいた砂漠の魔物は数が多いかわりに一体一体は弱かったので広範囲攻撃が使える人間がいれば簡単に倒せた。


だがここの魔物は数も質も高く多種多様な種類が住んでいた。


「これだけいろいろな種類が狭い範囲に住んでいるなんて……どれもこの地域に適応していてどれも自分の縄張りを持っている……。」


この地域の魔物は縄張りを持っていて山の頂上に近い場所に縄張りを持っている魔物ほど強いと聞いていたが本当だったらしい。

麓にいるのはあまり強くないが上がれば上がるほど強くなっていた。


「ここらへんの魔物には勝てるね……。」


麓付近にいた灰色の山羊のような魔物を難なく倒し独り言をつぶやいていた。

これならなんとかなりそうだと思ったその時、後ろのほうから何かの鳴き声が聞こえた。


振り向くとそこにはたった今倒した山羊のような魔物がいた。

ただし数十匹の群れで。


「ん?」

「メエーーー!!!」

「…………怒ってらっしゃるみたいね。」


怒り狂っているため山羊が逃がしてくれるということは無い。

普通の人間なら絶望的な状況だ。


だがレイナは勇者も認める天才なのですぐに全滅させてしまう。


一匹だけ他の個体よりも大きく力が強い個体がいたもののそれ以外はあっさりと倒した。


するとそこから魔物がほとんど出てこなくなるのだった。


「なんで出でこないのかな〜?」


レベル上げと鍛錬のために来ているので魔物が出てこないのはとても困る。


そこからずっと魔物を探し回るが結局その日は見つからないのだった。




―狼の魔物視点―


「なんだあの化け物は!?」


レイナが魔物を探し回っている時、狼の魔物達は話し合っていた。

これを聞いたらなぜレイナの前に魔物が現れないかが分かるだろう。


ちなみに当然ながらあくまで魔物の言葉を人こ言葉に翻訳して書いている。


「何事だ?」


群れのリーダーの狼が斥候の狼に言う。


「とんでもない化け物が麓付近でうろついているんだ!」

「山頂の魔物が降りてきたのか? 縄張り争いに負けて降りてくるのはたまにあるが……。」

「違う! 人間だ!」


リーダーの狼が訝しげに言う。


「人間? 確かに人間は強いが化け物というほどではないだろう? 数が集まれば脅威だが山に大勢で登ってはこんだろう。」 


ケルグ山脈は程度の差はあれど一年中かなり寒くさらにかなり広いので登る時には防寒具や大量の薪、食料を用意しなければならず大人数での行軍は至難をきわめる。

無理矢理進もうとすれば自然の脅威を味わうことになるだろう。


特に、極稀に発生する暴風雪に巻き込まれればここに住む寒さに強い魔物ですら凍死しかねない。


そしてこれらの事をここの魔物は理解していた。

なので人間に襲われることは無いと考えていたのだ。


「確かに大人数ではない。1人しかいない。」

「ということはかなりの腕利きなのか?」

「そうなんだ。1人で山羊共を一匹残らず余裕で殺し尽くしていた。」

「……凄まじいな。」


レイナがあっさりと殺した山羊は麓にいる魔物の中ではかなり強い部類だ。

狼達は山羊よりも強い魔物だがそれでも場所や状況によっては山羊が勝つこともある。


「しかもその群れには『白山』がいる群れです。」

「なんだと?」


『白山』とはこの山脈の魔物の間ではそこそこ有名だ。

といってもあくまで麓に住む魔物の間でだ。


普通の個体よりも大きく力も強くさらに知恵も付けている長生きしている個体だ。

山頂に住む魔物を抜けば上位の強さだった。


「あいつを余裕を持って倒せる相手に我々が勝てるわけもないか……勝てても被害は甚大だろう。」

「そうでしょうね。」


リーダーの狼は少し考えてから群れの狼達に言った。


「……他の群れにも伝えろ。絶対に手を出すなと。」


その後、その忠告に従わなかった狼は全てレイナに切り裂かれることになり余計に狼達に恐怖されることになった。


これは狼だけでなく他の魔物でも同じようになっていた。


―山羊の魔物視点―


「大変だ! 『白山』様が人間に殺された!」

「な、なんだって!?」

「そんな馬鹿な!」

「とんでもなく強い人間に群れごと皆殺しにされたらしい。」

「あの人がいたから我々は他の魔物に襲われずに済んでいたのに……一体これからどうすれば……。」

「仇を取ってやる!」

「馬鹿野郎! 『白山』様とその直属の群れが総出で襲っても勝てなかったんだぞ。俺たちじゃ足止めすらできるかどうか……。」

「それよりもこれからどうするかだ!」

「他の魔物に食い殺されるぞ!」


山羊の魔物はこの山脈において特別強いというわけではない。

なので優秀な群れのリーダーがいなければどうすることもできなかった。


その数日後には他の魔物に襲われて幾つかの群れが滅ぶことになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ