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神話の戦士と今の勇者  作者: サン
第三章 最後の休憩

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第三十八話 暗殺者の必須スキル

レイナとミネの模擬戦が終わった次の日、ついに訓練を開始した。


「ではこれから訓練をする。」

「「よろしくお願いします!」」


2人の元気な声が重なる。


「……ミネってそんなに明るかったっけ……なんか2人とも仲が良さそうだし……。」

「「気の所為です!」」

「…………じゃあ訓練内容を伝えよう……の前に、ギルは何処行ったんだ?」


レイナとミネは集合時間より早く来ていたのだがギルは何故か来ていなかったのだ。


「私は知らないけど……ミネは?」

「朝、見たら昨日の戦いのショックが抜けていなかったみたいだから多分それが原因です。」

「……本当なら引っ張ってでも連れて行ったほうがいいのかもしれないけどやる気が無い人にやらせても仕方がないからさっさと始めてしまおう。」


その時、ミネが決戦へ行く時のような覚悟の決まった表情になった。


「ミネ、どうしてそんな顔になっているだい?」

「…………勇者様の訓練は鬼畜だと聞きましたので。」

「…………ちなみに誰から聞いたのかな?」

「目が笑っていない……。」


ロンが微笑みながら圧をかけていることにレイナが恐怖している。

そしてミネも少しの間は圧に耐えたがしばらくすると耐えきれず白状した。


「レイナからです!」

「ミネ! 言わないでって言ったじゃん!」


レイナが悲鳴じみた声を上げる。


「レイナ?」


ロンの低い声が響く。


「ゆ、勇者様! これは違うんです! 何かの間違いです!」

「…………。」

「本当です!」

「……まあひとまずはいいか。さて話を戻そう。」

「わかりました。」

「……わかりました。」


レイナが裏切ったミネに対して恨みがましそうな目線を一瞬だけ向けてすぐに戻す。


「まずはミネのすることから言おうか。まず言っとくと君は完全な速度特化で他を全て切り捨てている。なので今更防御力や体力を上げても意味が無い。というわけで君が鍛えるのは攻撃力だ。攻撃力がないことにはどうしようもない。」


ミネも自覚があるのか納得の表情だ。


「具体的には何をすればいいでしょうか。」

「目に見えるほどの攻撃力の上昇は短期間では間違いなく不可能なのでズルをしよう。」

「というと?」

「強力なスキル、もしくはそれに届くほどの性能の魔導具を手に入れよう。」

「なるほど。」

「とはいえ魔導具は都合よく強力なのがあるわけもないし、作るにしても時間がかかるのでスキルを鍛えてもらおう。君は一応、忍者……つまり暗殺者タイプだよね?」

「速度特化ですし間違いないです。」

「ならスキル、『暗殺』を持っているかい?」


『暗殺』、このスキルは速度特化の戦闘に携わる職業の人間ならほぼ間違いなく取っているスキルだ。


効果は敵の視界外から攻撃すれば威力が若干上がるというものだ。

速度特化の人間はたいていの場合、速度で撹乱して敵の背中に回り込んでこのスキルで攻撃力を補いながら戦うことになる。

当然、ミネも持っていた。


「もちろん持ってますが……。」

「ならそれのレベルを上げよう。」


ミネが少し困惑したような表情で言う。


「えっ……『暗殺』のスキルはレベルが上がっても威力が上がりやすくなるだけですしそれもほぼ誤差の範囲ですが……。」

「確かにレベルが上がっても対して変化は無い。けどそれなら速度特化の人間には必須と言われるほどになるわけがないだろ? 実は『暗殺』は進化するととてつもない効果が追加されるんだ。」

「何なんですか?」


するとロンが気まずそうな顔になって言った。


「…………それがね……あまり詳しく知らないんだ。」

「…………えっ?」

「とてつもない攻撃力を出せるようにはなるらしい。何せそこまでレベルを上げてるような人間って滅多にいないしいても暗殺者だから手の内をわざわざ話すわけがないんだよね……。」

「それはそうでしょうけど…………。」

「まあ強くなれるのは間違いないから! なにせ…………。」

「なにせ?」

「……そのスキルを持っている敵と一度だけ戦ったことがあるんだ。そいつは恐ろしく強かった。油断したら簡単に負けるくらいには強かったよ。」


それを聞きミネはやる気を出したようだった。

さっそくすぐに鍛錬に励むようだった。

それを確認してロンは満足の表情になっていた。

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