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第5話『エントリー・バトルロワイヤル』

「きみたちにはぁ〜…………バトルロワイヤルに参加してもらうよっ!」


 やたらと溜めを作り、ナビゲーターはぴょんと飛び跳ねた。白い床に反射するナビゲーターの姿。


「バトルロワイヤルは、ゲームの中でも最もメジャーなゲーム!長い期間の中でぇ……殺しあったり、途中で出される様々なミッションをクリアしたり!そうして、最後の一人を目指す、とっても面白いゲームだよ!最後の一人まで()()ことができたら、願いを叶える権利が与えられるの!さぁ……きみの思う世界に作り替えちゃおう!」


 宗華と馴染みのあるナビゲーターの声はとても明るく、はつらつとしている。まるで、遊びを楽しんでいる無邪気な子供のよう。


「全然面白くないわよ!!」


 大きな声で叫び、ナビゲーターの胸ぐらを掴む宗華。


「さっきからデタラメなことを!参加費って言ってたけど……私たちを嘘の手紙で呼び出して、友達まで巻き込んでどういうつもり!?なんの目的があってこんなことをしてるの!!!?」


 鋭い視線でキッと睨みつける。そのまま5秒ほど膠着状態が続いた。


 ナビゲーターがフッと姿を消し、宗華の後ろに回り込んだ。


「だーかーらー。参加費をもらって開催したって言ってるじゃ〜ん。ゲームのことは宗華ちゃんがいちばんよくわかってるんじゃないの?」


 ナビゲーターは目配せし、ニヤニヤしながら5人を見ている。


「宗華ちゃん!どういうこと?」


 と、好子。わけがわからないといった様子で、うろたえている。


「…………」


 宗華はゲームの経験者で、ゲームに対する理解も深い。()()()()に気づいていたが、それを4人の前では言えなかった。


「宗華ちゃん以外の4人はプレイヤーじゃないから、プレイヤーの証である鍵をプレゼントするよ!無くさないように気をつけてねっ!」


 ナビゲーターがそう言うと、宗華以外の4人の前にふよふよと浮くプレイヤーの証が出現した。


 恐る恐るそれを取る4人。


「鍵には、能力とかのオプションを表示する機能がついてるよ!出てきてって念じるだけで出てくるから操作いらずで超簡単!」


 ナビゲーターの説明を聞き、4人は不思議そうに見つめている。


「宗華!どうすればいいか教えてよ!なんでかわかんないけど、ゲームのこと知ってるんでしょ?」


 震えた声を出し、井曽は宗華に助けを求める。


「わかった。とりあえず、ナビゲーターの言われた通りにして。自分の能力を理解する……それが生き残るために必要な第一歩だから」


「バッタ」

「剣」

「錬金術」

「2人で1人になる」


 井曽、好子、由奈、真白が、それぞれの能力を口に出し宗華に報告。


「ね、ねえ!宗華!バッタって何よ!気持ち悪いんだけど!」

「宗華ちゃん!たぶんだけど剣なんて重くて扱えないよ!」


 井曽と好子は説明をろくに読んでおらず、あまりいい反応を示していない。


「錬金術……2つのものを錬成して、その物質に応じた能力を行使したり身にまとったりできる、って書いてるけど、言葉通りなら、宗華の能力みたいにいろんな能力が使えて役に立つかも」


 由奈は、宙に浮くホログラム画面に書いてある説明を見て冷静に自分の能力を分析。

 その様子を、顎に手を当てながらじっと眺める宗華。


「2人で1人?合体でパワーアップしたり2人分の経験が活きたりする……5人いるから誰かとなるってこと?宅間、どうすればいい?」


 真白が宗華の方を向き、どうすればいいか、誰と合体すればいいかを聞いた。


「私剣持てないと思うから私と真白が合体すれば……」

「好子。どんな能力が来ても最低限扱えるようにするために、能力によっては身体強化がされる。だから、重くて持てずに能力を持て余すなんてことはないと思うよ。それと……真白は、誰と合体するかはよく考えよう」

「わかった」「うん」


 宗華のアドバイスに、真白と好子はうなずいて返事をした。


 5人の話し合いが終わったのを見計らい、ナビゲーターは白い壁から扉を出現させた。


「みんな〜!話は終わった?それじゃあこっちの扉を通って、ステージに行こう!ちなみに、ステージは()()()()だからね!現実世界でイベントとかが発生するから、じゃんじゃんポイントを稼いじゃおう!」

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