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空の色は変化し続ける、ということだけが変化しない。~宵と暁の空~  作者: 来夢創雫
任務 「襲撃任務004:善悪の隙間 選ばれし者の島」
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「影の集う島」

 都市の外れにある、築50年の一軒家では、朝からにぎやかな声が聞こえていた。


 ちゃぶ台には湯気の立つインスタントのカップスープと、焼けたばかりのトーストの香りが漂い、政悟が台所と居間の間をせわしなく動いていた。


「隼斗、ごみは分別してくださいって、前にも言いましたよね?」

「俺じゃねぇよ。なんで俺って決めつけるんだ? 和兄かもしれないだろ」

「和兄さんは昨日からいないでしょ。あと、これ可燃じゃないです。紙パックは洗ってから資源に」


 政悟が手にしたのは、ジュースの空きパック。彼は紙パックをシンクに置き、ごみ袋の口をきゅっと結んで、勝手口へと足を運んだ。


そのとき──

「ただいまー」

 玄関のドアが開き、和大とシンイチが入ってきた。


「お、朝から兄弟喧嘩か?」

 シンイチが靴を脱ぎながら笑うと、隼斗が不貞腐れた顔で

「違ぇし。こっちは身に覚えのない容疑をかけられた被害者だ」


 和大が苦笑しながら台所を覗き、「コーヒーあるか?」と聞く。

「入れてありますよ。インスタントですけど。シンイチさんの分も持って行ってください」

 政悟が答える。


 和大は軽く片手をあげて礼を言い、マグカップを二個もって居間に向かった。


「で? 朝からわざわざここに呼んだってことは、どうせ任務だろ」


 和大から受け取ったコーヒーを一口すすってシンイチが聞いた。


「ああ、任務の話だ。今回の任務はシンイチと隼斗、政悟にお呼びがかかった」


「え、三人だけですか?」

 政悟がわずかに眉を上げる。 


「そう。あの訓練をパスした中でも特に銃の腕が立つ人間を選んだようだ。他のチームからも精鋭が集まるらしい。任務の内容は現地で説明するそうだから、任せたぞ」


「現地説明かよ。やばそうだな」

 隼斗がため息をついた。


 実際、銃器の扱いにおいて、班で最も腕が立つのは政悟だった。その次がシンイチ、続いて隼斗、八真人、イハラ。和大は体格を活かした近接戦闘が得意で、銃に関しては平均的だ。ただし、圧倒的なスタミナの持ち主で、敵も仲間も疲れ始める中、彼だけは衰えを見せなかった。


  一方、政悟は射撃に関しては非の打ち所がないが、スタミナに課題があった。持久戦になると疲労が露骨に表れ、そのたびに仲間たちが自然と彼をフォローする形になる。


 ただ、隼斗だけは違う。政悟に特別な配慮をせず、他の大人と同じように扱った。


――――――――――――――――――


数日後、 

 3人が指定された場所は瀬戸内海の小さな島だった。

 そこには、全員で20数名程の精鋭が集められていた。これから行われる任務は別の島で行うが、深夜になるまでこの島で待機するよう告げられた。


「熊でも駆除するのか?」

「瀬戸内海に熊はいないだろう」

「じゃあイノシシか」


 集まった面々の顔にはまだ余裕が見えて、軽口を叩きあっている。


「あれ? もしかして、一緒に訓練した人だよね?」

「うわー懐かしいな。久しぶり。あの訓練はきつかったなぁ。みんなどうしているんだろ」

「俺、川北さんには会ったよ。まだTNTで頑張ってるって」

「そっかー」


 まるで同窓会のような会話をする者もいる。

 

 そんな中……

「キミって噂の美少年?」

「確かに綺麗な顔をしているね」

「この外見で残忍に射殺するんだって? すごいギャップだな」


 あれからいくつか合同で任務を行った。そのたびに、政悟は他のチームの班員から色物を見るような目で見られていた。本来、他の班員とは必要最低限のコミュニケーションしかとらない。だが、明らかに異質な政悟の容姿は注目の的だった。政悟は軽く俯き、肩をすくめた。からかわれることにも慣れてきたつもりだったが、やはり視線の重さは気になる。


そんな彼の前に隼斗がすっと立ち、軽く咳払いをして男たちの会話を遮った。


「まぁ、腕は確かですから」

 隼斗が政悟を庇うように、男たちとの間に割って入る。



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