転生したら三つ子の長女でした。6
シリアスとコミカルの塩梅が難しいので神様助けてください。
部屋中が淡い光に包まれると同時に3人の美女が現れた。
「魂が定着して中身は大人でも身体は3歳児なんだから感情の起伏に耐え切れないのよ?」
「まぁ怒っても可愛いのは変わらないんだけどね。」
「愛し子達よ、落ち着きなさい。まずは話を最後まで聞くのよ。」
「ディアナ様、フローラ様、メルーナ様!お久しぶりです!相変わらずお美しいですね。確か最後にお会いしたのはこの子達が生まれて加護を授けてくださった時でしたね。」
ディアナと呼ばれた女性は腰まで伸びるストレートヘアでサイドに月と星の髪飾りのクールビューティー、フローラは腰までのふわふわな髪に花冠のダイナマイトボディな美女、メルーナはゆるくひとつに編み込んだ髪に真珠や珊瑚を飾り楚々とした美女。3人とも髪も瞳も同じ金色で雰囲気もどことなく似ている気がする。
「ソフィア、続きは私達から話すからほらお膝の上にいらっしゃい。」
「あーずるいわディー!セシリアもいらっしゃい!」
「ローラもちゃっかり呼んでるじゃない。エミリア、おいで。」
あれ?これ拒否権ないやつ?
「むううううう僕ですらまだなのに…」
「まぁ女神さま達ですから諦めてください旦那様。」
あ、ないやつだ。神々しい美しさだなー思ったら神様だったタイプか…
「さぁいい子ね。じゃあまずは始まりは聞いたわね?貴女達が殺されたのはある女の愚かな野望の為だった。悪魔に騙され生贄に3つの魂を捧げれば異世界転生出来ると信じた馬鹿が本当に3つの魂を捧げようとした。その為に殺されたのが貴女達。まぁ直ぐに保護したから悪魔の手には魂は渡らなかったけどね。」
「貴女達乙女ゲームの『ときめき♡王国の聖女は溺愛される♡』は知ってる?そのゲームのパート2の方に彼女はヒロインとして転生したかったみたいなのよ。そしてメグの好きだったのがそのパート1の方だったからそっちのヒロインとしてメグを転生させたの。あの子は貴女達のいた世界の創造神様だけでなく私達にとってもお気に入りの魂を持った子だったしせっかくなら幸せになってほしかったのよ。」
「それからあの馬鹿にはお望み通りシナリオが始まると同時に転生させることにしたわ。これは私達の復讐でもあるの。メグは貴女達の幸せを祈り自らの娘として転生させ幸せにすることを望んだわ。自分の生涯をかけて何不自由ない暮らしと絶対の愛を授けることであの子は貴女達に償うつもりだった。そしてあの馬鹿の憧れたシナリオには三つ子の悪役令嬢が出てくるから丁度いいかなって貴女達を三つ子として転生させたわ。」
「あのぅ…転生とか覚醒のタイミングの時差ってコントロール出来るものなのですか?」
「復讐なら天国じゃなく地獄に直行とかじゃ駄目だったんですか?」
「三姉妹と三つ子じゃ母体の負担が違う気が…子供を一人妊娠して産むだけでも相当な負担がかかるって聞くのにそれが3倍なんて…なにそれ超羨ましい。」
よくある転生物って二極化してるじゃない?幼少期に覚醒型と学園入学前か断罪直前に覚醒型。私達が前者で私達を殺した犯人が後者に当てはまる訳で…それに女神様達が復讐するみたいな感じに話してるけど復讐したいのは私もそしてこの二人も一緒な訳で…でも勝手に復讐して女神様方に嫌われるのもちょっと…
「あら、そんなの決まってるじゃない。だって私達神様だもん。」
「せっかく自分の望んだ世界に来たのに結末が思い通りにいかなかったら最高の復讐になるでしょう?それに私達も生でざまぁが見たいのよー!」
「そうなのよねー!そこの意思疎通ちゃんとするの忘れててね…最初は娘が悪役令嬢なことに驚いてたわね。まぁ貴女達なら大丈夫でしょうって変に納得してたけど…体に対する負荷は凄くてね。それにこの世界はまだお産に対する知識も技術もあっちに比べたら格段劣ってるから成す術もなくって感じね。」
「でも女神様なら助けることも!」
「出来ないわ。残念ながら。あの子の魂の傷は想像以上に深く肉体もかなり限界だった。延命なら出来るけど彼女はもう解放されたがっていたのよ。だから今は創造神様の元穏やかに眠っているの。」
「それで貴女達はどうする?貴女達に早めの覚醒をさせたのはね、幸せになるにも復讐するにしても覚悟を決めたり下準備する時間が必要だと判断したからよ。」
「貴女達には美しく健やかに育つよう加護を授けたから将来美人は確定だし普通に幸せに生きてもいいし復讐してその後幸せに生きることも出来るし何より私達は貴女達がどんな決断をしても愛し慈しむわ。」
ダメだ。情報量が凄すぎてどうしていいかわからない。知恵熱出そう。乙女ゲームはやるよりなろうの小説で転生物読むくらいしか知識ないしとりあえず現実逃避したい。
「それよりもソフィア。貴女は賢いのに優しすぎた子。それはわかるんだけどね?貴女はサバサバ系女子演じてた割にこっちではちょっとキャラが中途半端すぎるわ!他二人に比べてインパクトが無さすぎる!いい?まずは心の傷を癒しながらキャラを固定させなさい!」
「…ディアナ様、それって今そんな大事なことでしょうか?」
「セシリア、貴女は地味な花でさえも愛せる優しい子。優しいのに言葉を知らないから上手く愛を伝えられ切れてないの。不細工はダメよ。目が小さいならつぶらな瞳とか…総じて不細工なら個性的な顔とか…とにかくお勉強しましょうね。」
「そっか!いきなり不細工だから好きって言ったらびっくりしちゃうものね!」
「エミリア、貴女の好奇心は素晴らしいわ。例えそれが危ないものでもね。もういっそのこと記録をつけてみたらどうかしら?どんな方法でどんな風に苦しんだかを細かく記録を取ればいつか誰かの役に立つかもしれないわ!」
「それなら読み返してワクワクを思い出せる!!」
女神様ってみんなこんなに個性強いの?それともこの世界にまともなのロバートしかいないの?あの気難しいシリアスな空気からコミカルになるまで早過ぎない?
「さぁ小難しい話し合いとパーティーで疲れている筈よ。だって貴女達の体は3歳になったばかりだもの。今後のことはまた明日にでも話し合いなさい。今はゆっくり体と頭を休めなさい。」
ディアナ様の手が暖かくてこんな風に誰かに背中を撫でてもらったのなんていつぶりだろうと思ってる間に私は深い眠りについた。
女神様は三つ子ではなく三姉妹です。名前や髪形でご察しの通り月の女神、大地の女神、海の女神です。なんか登場人物多すぎて既にパンクしそうですがまだまだ続きます。ちょっと名前と見た目が安直過ぎない?と思った方。ブクマと高評価お願いします!




