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転生したら三つ子の長女でした。5

シリアスにしたいのにシリアスにしきれない己の技量とお父様のポンコツ具合が憎い今日この頃。



「さあ、パーティーも終わったことだし早速話し合いをしようか!」

「まずは楽なドレスに着替えるのが先です。お身体は3歳なりたての子供にドレスは酷です。」


笑顔のお父様をまたナイスミドルな執事ロバートが華麗にスルーし着替えに行くことになる。

一日何回着替えるのよって思うけど確かに動きにくいし重いし早く着替えたい。これはあれだ。成人式に近い辛さがある。何重にも縛られ苦しかったなぁ…振袖や子供用のドレスでこれだけ辛いなんて…大人用のドレスでコルセットしたらたぶん内容物出る。


30分後ドレスに比べたらだいぶ楽なワンピースに着替え食堂に集まる。そういえばまだ他の二人とちゃんと会話してない。むしろこの世界に来て発した言葉「うげっ」以外ない。


「あぁなんて愛らしいんだ!さあこれでようやく話せるね!!!いいよね?ロバート!!!」

「はぁ、お茶の準備も出来ておりますしよろしいでしょう。」


この主従関係大丈夫かな。


「まずは君たち3人が転生者だということはもう話したね?」

「あの…おとうさま?転生者というのはこの世界ではそんなによくあることなんですの?」

「あぁお父様!なんていい響きだ!!パパでもパピィでもダディで父様でも親父でも好きな呼び方で構わないよ!」

「旦那様、それはソフィア様の質問の返答になっておりません。ソフィア様、この世界では多くは在りませんが稀に現れる存在として転生者は存在します。正し平民の場合は貴族や王族などに保護されます。転生者の持つ知識は我々には持ちえない技術や国の発展などにも関わります故悪しき存在や他国に引き抜かれる前に保護と称して囲い込むのが通常です。奥方様も元は平民でしたが一緒に暮らしていたお母様が亡くなると同時に父と名乗るメイフェル男爵に引き取られております。」

「え?お母様も転生者だったの?」

「えぇセシリア様。奥様はある日突然前世の記憶が戻ったとかで我々には想像もつかない技術や制度や料理を広め、またそのお心の美しさから神々に愛され祝福を受け聖女となり旦那様と大恋愛の末に結ばれました。喜劇や小説の題材にもなりお二人の恋模様はとても有名になりまして現実を知る我々は本当こそばゆいというか当人じゃないのに恥ずかしくていい迷惑をしております。」

「じゃあ私のお母様ならきっと中世ヨーロッパの拷問方法を再現させたりしたはずだわ!あぁ楽しみぐふふ」

「エミリア様、そのブレない精神本当尊敬しますが、誠に残念ながらそれだけはありえません。」

「ねーロバートばっかりずるい!」


あぁ情報過多で辛い。


「メグはね、不慮の事故で君たちの居た世界で亡くなってこっちに魂が飛ばされて転生したんだよ。」

「あぁよくあるやつ…」

「メグも言ってたねぇ…猫助けてトラックに引かれるってテンプレ過ぎるって。どういう意味か全くわからなかったけど!あはは」

「あぁトラックに引かれるってどんな感じだろう!!!!試してみたかった…お母様が生きてたら根掘り葉掘り聞けたのに…」

「とにかくね、メグは元居た世界ではメグが亡くなる直前に3件の連続殺人が起きたんだ。3人の若い女性が突然エキ?で背中を押されデンシャ?に引かれて亡くなったんだ。それが君たち3人だ。元々元居た世界でもその世界の創造神様から愛されるほど魂の美しいメグは大層その事件に心を痛めた。しかも君たちの唯一の関係者である彼女は勝手な憶測による誹謗中傷も受け心に深い傷を負った。神々はそんな彼女をずっと見守ることしか出来なかった。最後の審判の日彼女は唯一つ無意味に散らされた君たちの命を憐み君たちの幸せを祈ったんだ。そこでこちらの世界の創造神様とその娘であられる3人の女神様達が彼女に彼女の娘として君たちに新しい命を与えることを提案したんだ。」


名前を聞いた時から感じていた違和感と親近感の謎はお父様の言葉が本当なら母であるメグは小学校時代の親友であったから。そんな偶然なんてあるものなの?と思う半分納得する部分もあった。メグは誰にでも優しく皆から好かれ正しく物語のヒロインのような子だった。どんな状況でも希望を見つける天才でありどこかズレていてそれでも真っ直ぐな自慢の親友だった。学区の問題で中学から別の学校に行くことになったが定期的に連絡を取る中であった。そして、もしお父様の言葉が本当なら私達3人はメグが共通点で殺された被害者ということになる。あの子は絶対に殺しなどしない。それだけは絶対に確かだ。でも何も知らない人にはとっておきのゴシップで。きっとあの時代なら特定犯に住所や全てを晒されたことだろう。自分だけでなく自分の家族まで冤罪で苦しめられる。しかもそれが自分の親友が続けて何者かに殺されたことによって。


『私達を殺したのは誰』

気が付くと口から出た言葉は他の二人からも自然に漏れていたらしい。双子で意思疎通が出来るのはテレビでよく見たけど三つ子でも起きる物なのかと若干冷静になる。


「あぁ三人揃って同時にリアクションだなんて!!!メグの言ってたカメラとやらがあれば録画できたのにくそぅ…」


「旦那様、今このシリアスな空気でその発言。爺はある意味感心致します。お嬢様方、中身が大人だと分かっていても違和感があるので3歳児の容姿のままその物騒な言葉はおやめください。さてはてどう説明しましょうかね。」


これから大事な会話があるときはロバートに任せよう。



「なんだか騒がしいわねえ」




シリアスなのかコミカルなのかどっちかにしてと思ったそこの貴女。同感です。というわけでブクマと高評価お願いします(もう後書きのネタが切れる3秒前)

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