転生したら三つ子の長女でした。18
ルームツアーしたいのに…早く話を進めたいのに…センスと語彙力のない自分が憎い今日この頃。
「カントール公爵家のご息女の皆様。この度はご入学誠におめでとうございます。寮監のアグネス・ハッチャーにございます。どうぞ、気軽にハッチャー夫人とお呼びくださいな。主人は男子寮の寮監でハッチャー殿と呼ばれておりますしここは第二の貴女方の家になりますからいつでも寮生活でお困りの事があれば何なりとお申し付けくださいね。」
恰幅のいい優しそうな女性のハッチャー夫人は正に母性の塊。theお母さんである。なんだろう…今まで無駄に美形に囲まれていたせいかな?ポリーもヘンリエッタ教官もスラっとしたタイプだったからか今までにないこのボディタイプと雰囲気。すごくいい。
「お世話になります。ハッチャー夫人。私達は三つ子なので他の方たちより呼び辛いことでしょう。宜しければ名前で呼んでください。」
ハッチャー夫人は平民なので普通はカントール公爵令嬢とか苗字に敬称だけど三つ子だとややこしいしこのお母さん属性極めた感満載のハッチャー夫人には是非名前で呼んでほしい。
「まあそんな恐れ多いですわ…ですが有難くそうさせて頂きますわね。さぁお部屋の準備は出来ておりますしまずは寮の説明をさせて頂きますね。」
それから始まった寮内見学は物凄くワクワクした。貴族専用の寮なので応接間やディナールームも複数完備でどれも前世の旅行番組とか歴史ドラマで見たような部屋ばかりだった。しかも今世で美術史を学んだおかげで部屋に飾られる装飾品の価値を解説無しに正しく理解出来るので学生寮ツアーは想像以上に楽しいものとなった。
「さぁお部屋の前に着きましたよ。奥からソフィア様、セシリア様、エミリア様となっております。夕食時は入寮と入学のお祝いの宴を先輩の女子生徒の方々と企画しております故またその時に。あ、寮長のスペンサー嬢には一番最初に挨拶に行くのが良いかと…他のご令嬢にはこのようなアドバイスはしておりませんけど特別ですようふふ」
最後にかなり有用なアドバイスをして満足したような夫人を見送りまずは一度それぞれの部屋に入り確認してからそれぞれの部屋を訪問することにした。
部屋に入るとそこは屋敷の部屋と同じ最早テーマカラーでもあるライラックを中心とした色味の部屋が広がる。淡い木目調の家具は貴族にしては少し珍しいが繊細な彫刻を拵えているので部屋の雰囲気を優し気に落ち着いた雰囲気にしつつ淡いライラックのダマスク柄の壁紙と所々に置かれた白の陶磁器のお陰で貴族令嬢らしい雰囲気も演出してある。うん、これならあまり苦痛じゃない範囲で女の子らしくて大丈夫そう。
控えめなノックの後二人が入ってくる。
「うん、やっぱりこの木目がいい感じ!それに私の作ったレースも飾ってくれてて嬉しい!」
「ソフィーの部屋はなんだか屋敷の時も今もシンプルでやり過ぎてない感じでいいな。」
「うふふ、ありがとう。それじゃあ次はシシーの部屋に行ってみる?エミリーの部屋はまだ心の準備が出来てないし。」
「いいわよー!そういえばソフィーの部屋は手伝ったから知ってるけどエミリーの部屋は未知だわ!初めて模様替えした時もかなり驚かされたし…最後に取っておきましょう!」
「ぐふふふふ最強に凄い部屋を作ったから楽しみにしていたまえ。」
そうして私達は私の部屋を後にして隣のシシーの部屋に向かうのだった。
恰幅のいいおばさんって母性溢れてていいなーこうゆうお母さん憧れると思いながら鏡を見たら自分も同じような感じだったのでとりあえずあとは旦那を見つけるだけだと気づきました。神様私に文才と旦那を下さい。今日も面白かったと思った方、ブクマと高評価お願いします!




