転生したら三つ子の長女でした。17
最近晩酌し過ぎて夜は記憶がないので休日にまとめて投稿スタイルにします。お酒は飲んでも飲まれるな!そして肝臓は大事にしましょう!
「それではお父様、レイ、みんな行ってまいります。」
「レイ、ロバート、ポリー。お父様をお願いね。」
「あぁ、私の大好きな離れよ…当分行けないなんて…いやこれもなかなか心に来ていいな…」
それぞれ玄関で別れを告げると馬車に乗り込む。まぁそんな離れているわけではないし週末だって帰ろうと思えばいつでも帰れるんだけど…なんとなく少し寂しい。
「あぁこれから毎日あの殿下と同じ部屋で授業とか…やっぱりここは地獄なのかもしれない。」
「前は1カ月に数回で済んだのに…毎日顔を合わせたら殴っちゃいそうで怖いわ。」
「ソフィー!その冷めた目を私に!シシー殴るなら私を!」
転生から12年経ち姉妹としても友人としても私達は全くブレない個性を受け入れられる程には絆が深まっていた。元は赤の他人で面識もなかったのに不思議。ちなみに学園までは馬車で1時間程度なので本当にいつでも帰れる距離だ。それなのに感慨深いのはきっとこの1年が一番大事だから。あいつが入学するまでに絶対自分たちの足場を固めてやる。何があっても揺るがない地位を。元貧乏公爵の娘で王子の婚約者じゃあまだ弱い。大事な存在になった妹達を父を義弟を使用人たちを守れるほど長い腕と大きな耳を手に入れなければ簡単にやられる。攻略対象を攻略したところで略奪なら廃嫡コースだってあるだろうしきっとそこが女神様達の狙い。でも…私はそれだけじゃ足りない。どうしたらいいのかわからないけど…その後も私達の人生は続くのだから。
再度自分の決意を固めると馬車はあっという間に学園の寮の近くまで来ていた。1時間も恨み辛み復讐の為の決意に使うなんて私はサバサバ系どころかがっつりメンヘラのヤバい奴な気がする。転生時にアラサーだった私は今世での齢も足せば立派に中身はアラフィフ掠るくらいな筈なのに今更こんな自分のことを知るなんて…いやぁ人生何があるかわからないものですね…そっか…見た目に引きずられてたけど私結構なお歳なのね…アンチエイジングは早めに始めておこう。
「あらソフィーそんな顔してどうしたの?」
「どんなことを考えていたの?是非私にもその悟りを開くに至った経緯を深く掘り下げて教えて!絶対楽しそうだから!!」
覗き込むように見つめるシシーと今日もブレないエミリー。あぁ一人じゃなくてよかった。めぐみには申し訳ないけどこの状況で一人じゃないって凄い有難い。命を懸けて私達を三つ子として転生させてくれて本当にありがとう。
「まぁそんなに寂しいの?今夜は一緒に寝る?」
「ねぇ教えて教えて!私にも共有してよー!三つ子は病める時も痛い時もいつ如何なる時も一緒でしょー!」
「ううん、大丈夫。でも最初の晩だしそれもアリかも。それからね、何を考えていたかと言うと…私達前世でも同級生じゃない?こんな若い見た目してるけど今中身はアラフィフ目前なんだって思ったらなんかちょっと…」
「…それは考えない方が良さそうね。」
「それって最高!中身はアラフィフって思ったら途端にこんなフリフリのドレスが凄い恥ずかしくなってきた!!!さっすがソフィー!!」
エミリーの素晴らしい程輝いている笑顔とシシーの引き攣った顔を見ていると馬車が寮の前についたようだ。
「さぁシシーもエミリーも顔を作って。行くわよ。」
やっだー!25とかアラサーじゃん!とか言っていた過去の私に言いたい。まだまだ若いよって…だんだん乾燥はするし二日酔いはするし…心は子供のまま体は立派に老いていく三つ子とは反対の人生を歩んでおります…あれ?なんか泣きそう。同情してくれた方。慰めの為にもブクマと高評価お願いします!




