転生したら三つ子の長女でした。15
寮生活って憧れますよね。
学園では入寮が義務付けられている為入寮前日の夜は家族だけの小さなパーティーをすることになった。学園自体は王都にある為社交シーズンはタウンハウスに週末は帰宅することも多々あるらしいがお父様の嘆きは凄まじかった。入寮1カ月前から寂しいよーとロバートやレイに泣きつき今日もディナーが始まる前から目が真っ赤だ。
「入寮して会えなくなるだけでも寂しいのに…卒業と同時に結婚しちゃったら更に会えなくなるなんて…僕はどうしたらいいんだ…」
そう本来なら卒業して1年くらいは結婚式の準備に使うものなんだけど必要な教育はもう終わってることとやっぱり他家からの嫉妬はかなり多くてここ2年は命の危機さえも感じるような嫌がらせもあった(全てシシーが返り討ちにするか笑顔でエミリーが対処していた)ので私達の身の安全の為にも早めに式を挙げることが決まったのだった。まぁヒロインが入学して婚約者達が惑わされず婚約を続けることが出来たらの話だけど。
「確か寮はその家の家格などによって部屋のランクが変わると聞きました。それに身の回りの世話をしてくれる侍女などもかなり制限されると…」
「あぁ最初は王族や国の中枢を担う有力家の婚約者ってことで一番上のランクの部屋にってことだったんだけど…既に先輩方が使ってるようなら申し訳ないし純粋に家格に合った部屋にしてもらったの。」
「部屋のランクより部屋が近い方が何かと便利だしね。身の回りのことはドレスを着る以外は基本自分たちでなんとでも出来るから大丈夫よ。」
「もう部屋の家具や装飾も終わってるんだろうな。ランクによって部屋のサイズと資金は決まっててその部屋に合った装飾を決まった資金の中で遣り繰りするのは貴族婦人の基本だ!なんて無駄だなーって思ったけど何気に楽しかったしな。」
そうこの学園の面白いと思ったところがそこだった。懐具合に見合った額で最大限にその素材を活かして見栄を張る。これぞ貴族の真骨頂である。懐に見合わない生活は自分たちだけでなく自領の民の生活まで脅かす。だからこれはある種大事なことだった。因みに学園にも平民はいるが彼らの寮は貴族とは別の建物で家具も備え付けだ。侍女や従者の数に制限があるのは基本的な家事は学園で専門の従業員を雇っていることとそこで平民の学生は学校生活をしながらアルバイトをすることで家計の負担を軽減したり将来貴族の屋敷で働く時の基礎を覚えるのだ。
「そうなんですねー!お父様は学生時代どんな部屋を設えたのですか?」
「僕はねぇメグが嫁いで来るまでこの領は古い名ばかりの貧乏領だったから凄い質素だったよ!でも狭くて丁度いい凄い落ち着いた部屋だったなぁ。今屋敷で使ってる主寝室は未だに広すぎて落ち着かないけどあの部屋は本当最高だったよ!」
あはははー!とへらへら笑うお父様にみんな納得する。元々主だった産業もなくただ建国時から続く家だった為公爵なだけでお母様つまりメグが嫁ぐまでは貧乏公爵で有名であった。一応公爵家だしと婚約者もいたが学園入学前に不慮の事故で亡くなりそれ以来婚約者はいなかった。学園では貧乏疫病神と裏で囁かれていたらしいが張本人はマイペースでどこ吹く風状態で完璧なモブとして静かに過ごしていたらしい。流れが変わったのはメグと出会ってから。カーストトップの3人から寵愛を受けているのに逃げ回っている少女がいると噂は聞いていた。だけどある日突然中庭で出会いそこから自分がその少女に猛アタックされるとは夢にも思わなかった。心根も見た目も聖女に相応しい彼女に男らしく逆プロポーズをされ結婚し領に戻ると荒れ果てていた田畑は聖女の力で豊作の地に変わり彼女の次々に出てくるアイディアで調理法やら制度を変えていくと貧乏公爵の渾名が嘘のように領は潤った。元々の性格もあって未だに旦那様と呼ばれ屋敷で一番大きな主寝室で過ごすのは落ち着かないが屋敷の財政が安定したおかげで子供達が何不自由なく過ごせ領民が幸せそうならそれでいいかと最近は本人も受け入れ始めていた。
S〇ms4が大好きな私は是非こんな学園通ってみたい…さっくりお父様の学園時代を出しましたがいつか短編でもいいから二人の馴れ初めをきちんと描けたらなと思います。今日も面白かったと思った方、ブクマと高評価お願いします!!!!




