転生したら三つ子の長女でした。12
ちょっと短い気が…いや…気のせいなはず…
怒涛の顔合わせが終わりどんな様子だったかを聞きたがるお父様を軽くあしらい(「ロバート!娘たちが冷たいよー!」と泣いていたが皆スルーしていた。〉着替えて夕食後今度は私の部屋で集まっていた。
「はぁやっと終わった…」
「それで二人はどうだった?」
「猫被るというのも意外に精神的疲労具合を考えると良い拷問かもしれない。」
三種三様にぐったりとしながらそれぞれに口を開く。
「殿下は…なんというか年相応のお方だったわね。このまま成長されたら勝手に自滅してくれるかも…」
あの歳であれだけ傲慢な態度が身についているなら無きにしも非ずな将来であろう。でも、もし改心して学べば…素直ではないけど家族を誇りに思ういい子だからきっと善き王になるかもしれない。結局はどんな選択をしたかで人生は大きく変わるのだからわからない。
「わぁ…王子殿下やジュリアン様に比べたら少し劣るだけでグレゴリー様もすごく顔が整てってね…騎士団長の家系なのに今はまだ小柄なことがコンプレックスみたいなんだけど…」
シシーが眉を八の字にしながら言葉を選びつつ今日の感想を述べる。
「あぁ…そういえばちびだったもんね。ジュリアン様はねぇ頭が良さそうな顔はしてるけど顔だけだったかな。」
アッサリ、バッサリ自分の婚約者を評したエミリーはゴロンとベッドで寝がえりを打った。
「さぁどうしようか。三人とも年相応と言えばそうなのよね。」
「うーん、考えれば考えるほどわからないわ。だってもしかしたらこれから成長するかもしれないし…」
「行き当たりばったり。当たって砕けろの精神で行くしかないね。」
結局私達は問題を放置することに決めた。子供時代なら在りえないことだけど勉強は頗る楽しい。中身アラサーだからこそ歴史とか本当楽しい。だけどこの人生を左右する問題はつまらないし重すぎる。結果夏休みの宿題は8/30から始めるタイプの子供のようにこの問題も眠らせておくことにした。
「そういえばソフィーは私達より授業を多く取っているけどこれから王妃教育まで始まったら大変なんじゃない?」
シシーはうつ伏せで顔を両手で支えながらこてんと顔を傾けるあの有名なあざといポーズで幼女とは思えない色気を出して話かけてくるし同じくうつ伏せで腕を枕にして顔をこちらに向けているだけな筈なのにエミリーは怠惰で気怠そうでありながら愛らしいという訳のわからない状態でこちらを見てくる。なんなのこの美幼女達。あ、私の妹達か。
「うーん、授業内容は楽しいし苦痛ではないけど既に一般レベルまで達したものから順に辞めていく予定なの。その中でも特に得意だったものはこれからも伸ばしていく予定だけどね。シシーやエミリーだってこれからまた授業増やさないの?」
「私は騎士の家に嫁ぐから体術や馬術を習う予定よ。でも、刺繍やレース編みも楽しかったし詩を学ぶのも楽しかったから続けていくつもり!」
「私は代々宰相の家だからやっぱり語学は必須だしその他にも社交術も学ぶかな。でも語学を学べば他国の呪いや拷問も学べるし…社交術は元が根暗すぎて精神的拷問にちょうどいいし…悪いことばかりじゃないな…」
シシーの乙女ぶりとエミリーのブレない趣味になんとなく安堵してしまった。本当は少し怖かった。もしも二人が恋に落ちて私だけ取り残されたらって考えると怖かった。3人で揃って寝るのはそんな不安があるからだった。
因みに私は最初の1週間でちょこっと宿題やったら余裕じゃんって勘違いして放置して泣きながら読書感想文と絵日記を夏休み最終日に徹夜でするタイプでした。ラジオ体操は最初の3日しか起きれなくて行けないタイプの完全引きこもり方でした。夏休みあるあるだよねと共感してくれた方。ブクマと高評価お願いします!




