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仲間No.6 藤原 啓(ふじはら けい)

俺の名前は 藤原 啓、40歳だ。

35歳になる嫁と5歳の息子がいて、幸せな家庭を築いていた。

息子はまだ遊びたい盛りで、よく悪役の怪人役をやらされたっけな。

俺はトラックの運転手をしていて、嫁とは納品先で知り合った。

一目惚れだった。

トラック乗りなんてのはかったるい仕事で、時間を過ぎたら怒られ、箱に傷があれば怒られ、渋滞でイライラし、朝も早い。

もう日々ストレスの塊だ。

そんな中出会ったのが嫁で、あいつは時間が過ぎようが、箱に傷があろうが笑って対応してくれた。

俺の愚痴にも何一つ文句も言わず付き合ってくれた。

そんな女に惚れないわけがないだろう?

俺は会う度に食事に誘い、最初は断られていたが五回目の誘いでようやくデートに漕ぎ着けた。

嫁は最初冗談だと思ってたらしいが、あなたの熱心さには負けたわ、とか言ってたっけな。

本当に俺にはもったいない女だったよ。

それからすぐに俺達は付き合う事になり、一年後に結婚した。

次の年には息子も産まれ、順風満帆な生活を送っていたよ。

あの時までは。


その日俺は朝から出社し、荷物をトラックに積み込み納品先を回っていた。

あの時思えば、救急車や消防車、パトカーのサイレンが鳴りまくっていたな。

それに異変を感じていれば良かったのだが、納品の時間は待ってくれず、俺は先を急いでしまった。

そしてそれは起こった。

今日最後の納品先のデパートに着いた途端に何故か違和感を感じた。

いつも誘導や受付をしてくれている警備員がいないのだ。

納品のトラックも何台かあったが中に人が乗ってない。

俺は不審に思いながらもトラックを降りようとした。

その時奥の方から人が出てきたので、俺はホッとしその人に声をかけようとし固まった。

そいつは首から血を流し、血管の浮き出た青白い顔をし、目は白目を向いているようだった。

フラフラしながら歩いているそいつを、俺はトラックの中から観察する。

あれはどう見てもゾンビじゃないか?

俺は怖くなってトラックの中で震えると同時に、最愛の妻子の事を思い浮かべる。

スマホから電話をかけてみるが繋がらない。

今日は日曜日だから二人とも家にいて外には出てないはずだ。

ゾンビがここ以外にもいるのかわからないが、どうか家でジッとしていてほしいと祈る。

結果、それが悲劇を呼ぶとも知らずに。


俺はトラックで一旦外に出ようと思ったが、スロープの途中で壁にぶつかって事故ってる車があったので諦めた。

トラックから降りて逃げ出そうとも考えたが、どこにゾンビがいるとも限らないのでやめた。

俺は必ず生きて帰らなければいけないのだ。

その内、夜が来て荷捌所の電気が消えてしまったので眠る事にした。

朝早かったのと緊張でもう限界だった。

次の日起きると荷捌所の電気が点いていたが、多分タイマーで動かしているのだろう。

俺はとうとう我慢できずに、次にゾンビがいなくなったら外に逃げ出そうと決意しその時を待った。

しかしゾンビがいなくなり今だ、と思った時にあいつらは現れた。

何故かトラクターに乗り、男一人の他は全員女だった。

男と女の二人が店内に入って行き、トラクターならスロープを登れそうだと思い盗もうと思ったが、女ばかりだったため躊躇してしまった。

ちっちゃい女の子がボウガンで警戒してるしな。

そうすると柄の悪いニイチャン達が現れ、銃を撃ちはじめた。

俺は反射的に広かった助手席の座席の下に隠れてしまった。

情けないが銃は怖い。

俺は死ぬわけにはいかないのだ。

毛布を被り隠れていると、いつの間にか外が静かになったので、トラックの窓から様子を見ると、さっき店内に入って行った男が戻っていて、女達を襲っていた男の頭を撃ち抜く所だった。

そしてその後、その男がトラックに近付いて来たので咄嗟に毛布に隠れた。

だが助手席から入って来た女に見つかり、さっきの男のように銃を向けられる。

必死に弁明すると許してくれ、同行まで許可をもらえた。


よし待ってろよ!

我が愛しの妻子達よ!


そして、悲劇は訪れる。


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