表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/83

14 契約と隷属

まだ動いているエスカレーターを使い八階まで上がった。

途中のフロアにいるゾンビは面倒だったので無視しておいた。

八階はオープン前だったのか誰もいない。

従業員も避難したのだろう。

店内側の扉からバックヤード側を覗くが誰もいないのでホッとする。

それがいけなかった。


「キャア!」


という声が後ろから聞こえ、振り向くと佐倉さんがゾンビに襲われていた。

扉の横にトイレがあったのでそこに潜んでいたようだ。

佐倉さんは盾をゾンビに押し付け耐えているが長くは保たないだろう。


「佐倉さん、銃!」

「無理ッス!盾で押さえるだけで精一杯ッス!」


それもそうか。

俺は佐倉さんの横を通り過ぎ、ゾンビの膝をバットで砕き床に倒す。


「これならどう?」

「無理ッス。手が震えて銃を持てないッス」


こんなゾンビと至近距離で対峙するなんてなかっただろうから仕方ないか。

俺は銃を取り出しゾンビの頭を撃ち抜く。

飛び散る血と脳漿に佐倉さんは声を失う。


「大丈夫か?ゾンビと戦うって事はこういう事だぞ?」

「へ、平気ッス。次は上手くやるッス」


真っ青な顔をし、涙目ながら気丈にも話す佐倉さん。

案外、慣れれば戦えるようになるかもな。


「そうだな。今後も付いて来る気があるなら強くなれよ」

「ハイッス!」


うん。良い返事だ。

いきなりの危機を乗り越えた俺達は、階段を使い九階へと足を踏み入れる。

そこには生存者などいなく、ゾンビの群れがいるのみだった。

とりあえず目に付く範囲のゾンビを次々に八階へ追いやる。

赤目ゾンビはいないようだ。

そうして奥に進むと食堂の扉が見え、何か見つけたのか佐倉さんが突然声をあげる。


「オーチャン!」


多分友達の名前だろう。

すると食堂の入口付近にいたゾンビが反応した。

ん?反応した?意識があるのか?

そう考えている隙に、佐倉さんがゾンビの方へ向かおうとしたので、襟首を掴み止める。


「友達はもうゾンビになった。諦めろ」

「ヤダッス!あんな風になってもあれはオーチャンッス」


こうなる事は予感していた。

何か良い方法があれば・・・


(アリマスヨ)

「ん?お前はあの時の。方法があるのか?」

(アリマスヨ)

「早く教えろ」

("ケイヤク"シテ、"レイゾク"サセレバヨイノデス)


ん?契約?隷属?

ああ、そういう事か。


「死者の王が命じる。汝、我と契約し隷属せよ!」

(イエス ユア マジェスティ)


すると友達ゾンビが目の前で跪く。


「福山さん!何したんッスか!」

「隷属した?」

「何で疑問系ッスか!」

「まあこれで襲われなくなったよ」

「マジッスか!ありがとうッス!」


単純な佐倉さんが友達ゾンビに抱きつく。

他のゾンビと違って傷がないので腐敗臭はしないそうだ。


「オーチャン良かったッスね!」

(アリガトウサッチャン)

「ありがとうだってよ」

「意識あるんッスか?」

「ああ。俺となら話せるみたいだ」


それからも抱き続ける二人。

上手くいって良かった。

人もゾンビも助けられるのなら助けたいしな。

二人の再開の喜びも一段落し、俺達三人はエレベーターに向かい、皆の所へ帰ろうと無線を飛ばす。


「悠木。今から戻るがエレベーターの前にゾンビはいるか?」


返事がない。ただのひん・・・


「マズい事になった!早く戻れ!」


おちゃらけてる場合ではなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ