9サークル目☆ お風呂があるらしい♪
宿に戻ってからお腹が空いたので食堂へ行ったのだが衝撃の事実が…
クレナちゃんがいたので席をご一緒する事に。
何でもこの宿屋の食堂は泊まってなくても利用可能だそうで、安くて美味しいからよく来るらしい。
そんでもってしばらく色んな世間話をしていたのだが、それは軽い愚痴で発覚した。
「あ~あ…お風呂入りたいなぁ~湯船に浸かれたら最高だけどせめてシャワーだけでも入りたい…」
「お風呂ですか?近くに大衆浴場がありますけど、広くて綺麗ですよ。この後私も行く予定だったので一緒に行きますか?」
NA・N・DE・SU・TO!?
無論返事は行く1択!!やっぱお風呂は大事だよね~♪
かくして念願のお風呂に入れることになったのだった。
クレナちゃんは着替えなどは既に持ってきているので、少しだけ待ってもらって急いで準備する為に部屋に戻った。
この世界皆次元収納あるし、確かに着替えやお風呂セットくらいなら余裕で入るよね。
「取り敢えず着替えと下着とタオルと~後はシャンプーとかリンスも欲しいなぁ」
必要なものを頭に思い浮かべながら楽々市場でどんどんカートに入れていく。
「流石にパジャマやスウェットで外は歩けないから簡単な服買わなきゃだけどこの世界的におかしくないやつとかあるのかなぁ…」
衣類のコーナーを見ていくが特に思い付かず、仕方なく長袖のシンプルなシャツと無地のロングスカートを選ぶ。
後は必要な下着にタオル数枚、ボディーソープとシャンプーにリンス、洗顔料に体を洗うためのスポンジ、風呂上がり用の化粧水と乳液、向こうになかったら困るので念のため風呂桶を購入する。
全て次元収納に入れると鼻歌混じりにクレナちゃんの元へ向かったのだった。
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「おぉ~!凄い素敵!!」
クレナちゃんに案内されてやってきたのはヨーロッパのテルマエを思わせるような見た目は神殿のような造りだが、派手すぎず所々にセンスの良さが出ている結構大きな大衆浴場だった。
思う存分頭から足先まで洗いいざ入浴!!
「あ~生き返るぅ~♪」
1日入ってなかっただけのはずなのに、もう何日も入れてなかったのではと思うくらい待望だったお風呂を満喫する。
「気に入っていただけたみたいで良かったです。ここの大衆浴場はこの街自慢の施設でもあるんですよ。」
大衆浴場があるのは大きな街だけらしく、ここまで大きくて綺麗なとこは数少ないらしい。
なのでわざわざお風呂目当てで他の街からやってくる人もいるくらい人気で有名なのだそうだ。
「にしても本当にいただいて良かったんですか?」
クレナちゃんが言っているのはさっき二人で使ったボディーソープ、シャンプー、リンス、洗顔料のことだ。
この世界は固形の石鹸のみかと思いきや一応液体タイプの物はあったが、やはりそこまで質は良くなく中身もほぼ同じ。
色んなボトルを目の前で出されたクレナちゃんが興味をそそられないわけもなく、使ってみる?の一言に遠慮しつつも好奇心に勝てず使ってみたところ質の良さや匂いがとても気に入ったようで、
「さっき開けたとこだけど使い差しで良かったらこのまま全部あげるよ。」
と全てプレゼントしたのだった。
最初は流石に悪いですと断られたが、ギルドに着いてからここまで良くしてもらったこと、予備がまだまだあるし高いものではないことを理由に受け取ってもらったのだった。
「全然大丈夫♪それより敬語なしがいいなぁ~私クレナちゃんと友達になりたいし。」
「え!?でも私なんかでいいんですか?」
「なんかじゃなくて、クレナちゃんだから友達になりたいの!ダメ?」
「ダメなんかじゃ…むしろ嬉しいです!あの…じゃあ、これから宜しくね。」
こうして私はこの世界で初めての友達が出来たのだった。
因みにお風呂上がりに化粧水と乳液をつけてたらやはり興味を示したので使い方をレクチャーしてまたプレゼントしたのだった。




