54サークル目☆ 戦闘開始♪対アンデッド最強アイテム?
リッチ…あぁ~リッチね、うん知ってたよ勿論。
取り敢えず鑑定かな~
キングリッチ Aランク
全ての死霊の王。あらゆる死霊を使役し生者を死に引きずり込む。これによって一夜にして滅んだ都市もある。
やだなに恐いわ~。しかもAランクって…。
う、うちの子だってAランクとSランクなんだからね!
取り敢えず線香を追加してラジカセのボリュームを上げてみる。
周りの村人ゾンビさんはあっという間に昇天したが、キングリッチってのには効いてなさそうだった。
いや、ちょっぴり効いてるかな?少し足がプルプルしてるし。
「ふっ、ふはははっ!愚かな人間どもめ!!我にはかような攻撃は通じんわ!!」
あ、喋れるんだ。フェイロンがある程度知能あって人型のやつは話せるやつもいるって言ってた気もするなぁ。
「これでも喰らうがよいわ!!」
キングリッチが私に向かって攻撃してくるけど絶対防御で効かない。
「なっ!?絶対防御だと!?ぐぬぬ…。」
めっちゃ悔しそうにしてるけどすみませんねぇ~。私には多分何も効かないのよねぇ~。
因みにラピスとブソンはフェイロンが張った結界に守られつつ私の後ろに避難中。
線香とお経は少し効いてるけど決定打には欠けるっぽいんだよね。
線香とラジカセを足元に置いた後、これとかいけるかな?と次元収納から塩の袋を出す。お清めのとかじゃないただの美味しい塩。
取り敢えず一掴みしてキングリッチに投げつける。
「ぶへぇ!?しょっぱ!!なんだこれは!?」
当たったところが少し灰になった。
「す、少しは我に通じる攻撃を持っておるようだがその程度では倒れぬぞ!!」
少しずつだけど体力削ってるご様子。てことでひたすら投げまくる。
「ちょっ、しょっぱ!!えぇい止めぬか!!」
止めるわけないじゃん~てことでどんどん投げる。
「貴様我を怒らすと…しょっぱ!!ああぁ~!目に入った!!痛い痛い!!何なんだこれは!?」
「は・か・た・の・塩♪」
「はか?ぶふぁ!!鼻にはいっ…ちょやめい!!」
「や・め・な・い・塩♪」
「我が悪かった!!悪かったから!謝るから止めてくれい!」
えぇ~退治しないとなのに止めるとか微妙だし~。どうしようかな?
「すいませんでした!!本当にもうすいませんでした!!お願いだから!!後生だか…ぶはっ!!のど…ごふぉっ!!ゲーホッゲホ!!」
あーあ大口開けるから入ってむせてやんの。
「ヒスイ様ちょっち流石に可哀想になってきたんで一旦止めてあげましょ?」
少し思うところがあったのかフェイロンからストップ入ったので取り敢えず塩投げ中止。
辺りめっちゃ真っ白だわ~。投げすぎたかなぁ…。てへっ♪
「ごほっ…ごほっ…わ、我をここまで苦しめるとは人間にしてはやりおるな…ごほっ…」
大丈夫か~?と背中をさすってあげる優しいフェイロン。
「な…貴様はカオス・デーモン!?なぜこのような所に…?」
「なぜって俺っち今従魔契約結んじゃってるから主についてきてるんっすよ~。因みにおたくに塩投げてたのがうちの主ね。」
そう聞かされたキングリッチはこちらを少し見てブソンにも気づいたようでガックリと項垂れ、
「抜かったわ…我と同等…いやそれすら凌ぐ力を持つカオス・デーモンを…ましてやそれ以上の龍種を従魔にするほどの者に我が勝てるわけがあらなんだ…。それをすぐ見抜けぬとは…。」
めっちゃ落ち込んでるし。
「力を見誤り挙げ句不様に命乞いをして助けられた…。このキングリッチ、貴殿を主と認め生涯尽くしましょうぞ!!」
いやいやいや待て待て待て、今何つった?
そんなにいっぱい従魔いらんし。
「却下。」
「なっ!?何故ですか!?もしや先程の我の言動がお気に障りましたか!?」
さっきの言動がってむしろ塩投げてるときの反応めっちゃ面白かったけどね。
「フェイロンやブソンがいるしリッチとか街中に連れていけるわけないじゃん。だから却下。」
この世の終わりのような感じで落ち込むキングリッチ。
「負けて命を助けられたとなっては強者に従い尽くすのが誉れというのに…我はどうすれば…。」
倒すのは若干可哀想にはなってきたし、かといって連れ回すのはなぁ…。
この従魔希望者をどうすれば良いのか悩むのだった。




