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8話目 『 円卓怪談 』
火が灯っているのは私の前の蝋燭だけ。
その頼りない光に薄っすらと他の7人の顔が浮かぶ。
『次は君の番、―――』
そう言われた所で私は目が覚めた。
まず目に入ったのは何時もの水色のシーツ。
うつ伏せで眠っていた体を起こし、枕元のスマホを見る。
時間は6時15分。
何時も起きる時間より少し早い。
「変な夢だったなー・・・・・・・」
覚醒し出した頭からは夢の内容が殆ど消えている。
ただ、変な夢だった事は覚えていた。
2度寝は出来ないから、渋々起きて支度をする。
何時もどおりの朝。
何時もどおりの出勤風景。
何時もどおりの会社。
ただ何時もと違った事が1つ。
今日、私が勤める部署に新人が来た。
私より2つ下の23歳の女の子。
「今日からここで働く水瀬さんだ」
「水瀬 青香です!よろしくお願いします!!」
そう言ってお辞儀をする、綺麗形の顔をした彼女。
そんな彼女の姿を見た私は今朝の夢の内容を思い出した。
『次は君の番、今度は君が怪異に会う番』