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サンデーナイト①  作者: まさお
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あつしの転換

オフィスにて


「いや、だから資料提出する前に俺に確認させろって言ったじゃん。何回同じミスするの?」


部長に呼び出しを食らったあつしは、今日も仕事のミスで怒られた。


「すいません、確認不足でした。」


自分がなんでまたこんなミスをしたのかわからず、あつしはただ謝った。2週間前も同じようなミスで怒られた。その時はもう二度とこんなミスするかと意気込んで仕事をして来たが、たった2週間。自分の意志の弱さにつくづく情けなくなってしまう。


「本当学ばないな。仕事やる気ある?お前の同期の阿部とかもっとちゃんとやってるよ。見ろよ営業成績。同期トップ。素晴らしいね、彼みたいな有望な人材を雇えて僕は幸せだよ。なのにお前と来たら。成績も良くない、ミスは連発する。どこに取り柄があるんだよ。ったく会社の足引っ張るなよ。」


部長は仕事のミスを言及しながらも、どこか人格まで否定しているかのようにあつしは感じた。しかしミスをしたのは事実。あつしは繰り返し謝罪し、重い足取りで自分の席に帰った。席に着くと向かい側の阿部がクスクス笑いながらこちらを見ている。


「くそ、なんであんな奴に限って仕事ができるんだ。」


むしゃくしゃ感情があつしの頭の中を覆い尽くした。しかしここはオフィス。早く仕事に戻らねばまたさっきのように部長に呼び出される。気分を切り替えるため、あつしはキッチンのコーヒーを取りに行った。


「さっきは結構怒られちゃってたねー」


そこには同じ課の先輩、ゆうこがいた。遠藤さんはあつしの3つ先輩で、成績優秀、後輩の面倒見のいい、素敵な女性だった。


「いやーまたやっちゃいました。意識して直そうとはしてるんですねどね。本当まだまだです。」


あつしはゆうこの前だと素直になれる。というのも部長や阿部のような職場の男性はもれなくあつしを見下しているようにあつし自身感じているからだ。それに引き換えゆうこは誰とでも分け隔てなく話しかけ、自分の喜怒哀楽を表情でちゃんと伝える、あつしにとって数少ない理解者だ。


「まあやっちゃったことは仕方ないわよね、切り替え切り替え。ところであつしくん、トランスとか聞く?実は今度気になるイベントがあって、一緒に行く人探してるんだけど、もし良かったら行かない?」


あつしは驚いた。普段清楚に見えていたゆうこにそんな趣味があったとは。しかもトランスはあつしの大好きなジャンルの音楽だった。あつし自身も月に一度ほど、目当てのDJが出るクラブに足を運び、トランスの音運びに酔いしれていた。


「はい、ぜひ!でも意外ですね、ゆうこさんにそんなイメージなかったです。」


「まあ、そんな詳しくはないんだけどね、好きよ。」


あつしはゆうこはその場で予定を合わせ、待ち合わせなど決めた。


「じゃあ楽しみにしてるね」


あつしは胸がドキドキした。というのもあつしがクラブに行くのは毎回一人。誰かと行くといった経験がなかったのだ。


「初めて人とクラブに行く、しかも相手はゆうこさんだ。」


あつしは意気揚々と席に戻った。阿部はまだクスクスこちらを見て笑ったきた。あつしは顔をパソコンの画面に近づけ、必死で視界から阿部を消した。

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