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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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光が出れないシュワルツシルト半径

真奈美とイナリはブラックホールと化したベテルギウスを調査しに向かう。

 光が出れないシュワルツシルト半径


 艦長席とはとても思えないソファーと白いテーブル。その上には今日も艦長の制服が丁寧にたたんで置かれている。

「どうでもいいけど、なんで毎回違う制服なわけ?」

「真奈美と超次元戦艦にマッチする制服を選定中」


 絶対に嘘――。

 ただのコスプレ好きか着せ替え人形みたいに私で遊んでいるんだわ~。


 そう怒りながらも……、学校の制服から艦長の制服へと着替えた。実は色んな制服を着てみるのもそんなに嫌いではない。

 今回のは古臭くなく、ちょっと可愛らしい白色の制服だわ……。


 右手を前に出して言った。

「超次元戦艦発進。目標、ベテルギウスブラックホール!」

「了解!」

 心地よいエンジン音が響き、異次元周辺が真っ黒の宇宙空間へと変化した。



「目的地到着。異次元より大宇宙へ移動完了。これより解析開始」 

 艦橋から目の前の宇宙をみて息を飲んだ。

「……なによ、目の前には星もなにも見えないじゃない。ひょっとしてこの真っ黒の丸いのは……」

「真奈美の想像通り。ブラックホール。現在シュワルツシルト半径より少し離れたところで同速度にて後退中。約5時間後に同半径内に接近予定。ゆっくり接近中」

 真っ黒の塊を見ながらイナリに問いかけた。

「シュワルツなんとかってなによ。どこかの知事? 映画俳優?」

「残念。それはアーノルドシュワルツネッガーと認識。シュワルツシルト半径は光速では脱出できない重力圏内。只し、私なら異次元転移で脱出可能。楽勝のラッチャン。解析中」

 暗黒から目を離さずにイナリの自慢を聞き流す。


 目を放した隙に吸い込まれそうなのだ。五時間どころか、今すぐにでも帰りたい。

 嫌な予感がする――。


「解析一部完了」

「一部ってなによ、じらさないでよ」

 イナリは艦橋内に立体映像を表示して説明を始めた。真っ黒な球体が彗星のように真っ黒な尾を引いて表示される。

「現在地球方向へ光速の1.51倍の速度にて移動中。誤差角度ゼロ。さらに加速中」

「なんでわっざわざ地球に向かって飛んでくるのよ!」

 苛立ちで腕を組む。

 地球に向いて来なかったら、今頃は家でテレビを見ていられたのに~。

「ベテルギウスの最終収縮時にガス噴出あり。ちょうど地球と正反対方向へ大量のガスを噴出し、推進力を得たと解析」

「だからって……地球に向けてまったく誤差無しで飛んでくる必要はないわよ。ため息が出るわ……」

 ハアっと大きくため息をつくと、イナリが説明を続けた。


「何者かが意図的にガス噴出を促した可能性あり。現在も調査中」


 それを聞いて背筋がぞっとした……。


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