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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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運も実力のうちなの?

真奈美は運がいい!?  

 運も実力のうちなの?


 怒りから落ち着きを取り戻したのは、校門から出た時であった。

「血圧調整実施完了。待機中」

 ……あまり嬉しい処置ではないのだが、今日だけはありがたかった。なんせ怒る機会が多すぎた一日だったからだ。

「ありがとう、イナリ」

 落ち着きを取り戻し、改めてイナリに聞いた。

「ねえ、さっきの橘君とディアブロ君の勝負はイナリが異次元から操作したんでしょ。

「? 理解不能。私は骨折を修復したのみ。二人の愚行は大宇宙の成り行き」

「そうなんだ」

 私は……てっきりイナリが気を効かしてあんな結果に導いたのだと思っていた。

「私の任務外。待機中」

「ふーん。じゃあ私が本当に漁夫の利ってことなのね」

 イナリがやったんじゃなかったのなら、それってラッキーなのかしら?


 もしこれで本当に二人と付き合えるんなら、私って運がいいわ……。


「いつもの真奈美に戻ってきたと判断。真奈美は大宇宙において、極めて運がいいと認識中。何故なら、私の護衛を受ける権利を得たため」

「ああ、あのヌガヌグ帝国が誰でもいいから適当に決めたのが私だった、ってやつね」

 ヌガヌグ帝国が陰謀を企てて、次元戦艦の護衛権利を私に決めたらしいけど、実は私でなくても良かったのだ。

「カナや則子でも誰でも良かったんでしょうね。そう考えると確かに運がいいわ。宝クジが当たったみたいなものよ」

 ……宝クジなんて当たった試しがない。


 当たったと言えば……、商店街の福引きで大きなヤカンが当たったくらいだ。小学生の私でも、それだけを持って電車に乗るのが恥ずかしかった。今でも覚えている。鮮明に――。


「真奈美は確率を宝クジと言うが、そのような数値の比ではない。何故なら、ヌガヌグ帝国はマナミ銀河内の全有機生物及びマシーン、その他大勢の中から選ばれた」

 その他大勢って誰だ?

「数値としては宇宙的未知数。例えば、護衛の対象は惑星でも納豆菌一匹でも良かったはず。それでも真奈美という二足歩行生物が選ばれたのには確率以外の何かがあると推測。ただし、現在未解析」

「なによそれ。結局は解らないってことは、運が良かったってことじゃないの?」

「うん」


 ……イナリは最近、クダラナイ言い回しを身に付けてきた気がする……。


「超次元戦艦は常に進化する。冗談もそうだが、今は解らないことも光速で解析処理能力が進化しているため、地球時間において、3000時間後には解明予定」

「はあ? 今は解らないのに3000時間後には解るの?」

「楽勝。進化中」

 待機中が進化中? 一体何が解るのかしら? そもそも私にはその3000時間っていうのがどうやって計算したのかが解らないわ!

「もし人間が絶滅せずに進化をしていくと仮定したとき、全員が火星に移住出来るのは西暦何年でしょうか?」

「なによ突然! 解るわけないでしょそんなもの!」

「適当で可」

 うーん、映画とかも色々あるけど、移住っていったら住むことよねえ。

「3000年くらいかしら……」

「ピンポーン! 大正解! 人間の進化速度と地球近辺の資源残量、太陽風周期より計算すると、西暦3000年に全人類の半数である約6億人が移住完了。残りの6億人が移住完了するのに48年必要。只し、人間同士の戦争により絶滅を免れた場合の仮説」


 ……予想が当たったと喜んでいいのかしら。


「ドンピシャ。さすが真奈美。運だけはいい!」

「運だけはっていうのが余計よ。そもそもイナリの予想だって当たっているかどうか解らないじゃない」

「確認は容易。あと千年待つのみ。私の的中率は9割以上と判断。只し、人間同士が仲間割れの遺伝子をこれ以上増やし、絶滅すれば的中率無効」


 その時、朝のイナリの言葉を思い出した――。

「千年って言ったら……、朝のブラックホールの話はどうなるのよ。640光年だったら、それまでには地球に近づいてるんじゃないの?」

「……優先情報処理に処理能力の大半を使用していたため、ブラックホールの存在を軽視していた。現在の動向確認中。――完了。地球に向けて光速の約1.5倍の速さで地球に接近中。なおも加速中。そのため質量も飛躍的増大。観測中」


 光速の1.5倍と聞くと……、手に汗が滲んできた。


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