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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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世界から鳥が消えたなら?

またしても真奈美とイナリの前にサラマンが姿を現す! そして怒っている~!!

 世界から鳥が消えたなら?


『――! 偉大なるサラマン様! 突然の御越しを歓迎いたします』

 サラマンはコビを売るイナリをそっちのけ、

「まーなーみ~、まだ鳥を食うと言うのか~?」

「……地獄耳って……あんたのことね。馬鹿みたいに何度も出てこないでよ。私の勝手でしょ!」

 イナリはもうなにも言わない。黙秘権発動ってことかしら。

「……仕方ない……私も大宇宙を統一する身……。下等なおまえたち人間の文化とやらも……少しは理解してやろう。しかし、鳥を二度と食わしたりはしない……」

「……それをこの星じゃ矛盾って言うのよ!」

 結局サラマンはなにも分かってないじゃない。


 サラマンは一瞬目を閉じた。


「フフフ、これでいい。これからは私が作ったサラマン製鳥肉モドキを鳥肉と信じて食べ続けるがいい」

「なんですって?」

『サラマン様御自ら作成された有機物粘土状の鳥。味、匂い、触感共に鳥と酷似。人間には識別不可』

 イナリがそう表示する。

「そんなことしても所詮は一時の気休めじゃないの?」

「地球上の全ての鳥はすでに私が管理する異次元へと転送した。その替わりに全ての鳥を私が作ったアンドロイドリに代えてやった。あとは好きにするがいい」


 ……言っている意味がさっぱり分からない。

 ……さっきのカラスはまだ生ゴミをあさっている。


「なにも変わっていないわ」

『あのカラスは既にサラマン様が作られたアンドロイドリ。超小型制御装置搭載で、人間なんかより超高度な思考回路。我々と同じ解析能力を保持』


 どうみてもカラスだ……。


「嘘おっしゃい。だったらなんでゴミなんかあさってるのよ」

「お前達低知能生物が変化に気づかないように制御しているだけだ。その気になれば次元転移で宇宙をも飛び回れる」


 そんな――あほな。宇宙を飛ぶカラス?


「それどころか、他の生物同様に繁殖する。自らも制御装置を作成するから、次世代以降もその高い制御力を備えている。半永久的にその能力は受け継がれるのだ」

「――もしかして、それで地球を鳥に乗っ取らせるつもりなの?」

「そんなつまらないことはしない。私の制御装置は完璧だ。鳥以上の行動は自粛するに決まっているだろ。それに、その気になればこのカラス一羽が十秒でこの星を支配することも可能だ」

「はあ? どうやって?」

「制御装置を体内で瞬時に作成し、高速で人間の脳に注入して地球を一週。約5秒。人間の脳が完全に支配されるのに5秒。征服終了~」

 サラマンは両腕を組んで自身満々の笑みを浮かべる。

「そうしないことを少しはありがたく思うんだな。ハーハッハ!」

『なんという寛大な処置。ありがとうございます。ほれ、真奈美も頭を下げんか!』


 イナリはサラマンに滅法弱い――。

 社長の前でゴマをするサラリーマンでもこんなに情けなくはないだろう――。


「勝手なことしないでよ! 焼鳥屋さんや玉子屋さんが迷惑でしょ!」

「ふん、迷惑なものか。真奈美以外の誰一人としてその事実に気づかないさ。ちなみに解剖して顕微鏡で見たって無駄だぞ。なんせ私の作る制御装置は水素原子の約八十万分の一の大きさだ。作った私ですら見えないんだから。エッヘン!」


 サラマンは胸をはる……。それって自慢?


「おっと、くだらん時間を浪費してしまった。早速地球から転送した鳥にエサと癒しを与えてやらねば。さらばだ!」

 そう言うのと同時にサラマンは、またその場から姿を消した。


「……ちょっとイナリ。あんたサラマンの味方なの? それとも私の味方? はっきりしなさい!」

「サラマン様の味方。真奈美の護衛もサラマン様の命令によるもの。即答中」

「……あ……っそう」


 聞いた私がバカだった。無言で商店街を歩いた……。


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