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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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鉄と鉛の贋作

教室へ戻った真奈美は、体育の時間にしていた話を思い出す。

 鉄と鉛の贋作


 教室に戻り、授業を受けるのだが、なにかが……引っかかる。ソフトボールの時に何か重要な話をしていたような気がするのだ。

『真奈美の脳より強制消去したデータあり。左手の臭いを嗅げば思いだせるが推奨せず。覚悟必要と判断。期待中』

「え、なによそれ?」

 さっと左手をまた鼻の前へ持って行く……。

「臭っ~!」

 慌てて口を押さえた!


 教室内の全員が一度私の方を見たが、すぐさま授業は再開された――。


『田中則子のグローブ臭が左手に付着中。異次元へ臭気を処理実施。完了。もう大丈夫。安全確保。待機中』

 また恐る恐る鼻に左手を近づけた。無味無臭である。

「あ~良かった。あの臭いがもう一生取れないかと思ったわ」

 冷たい水で手を洗う手間が省けたのもありがたい。


 ――私は誓う。もう二度と他人のグローブを嗅いだりしないわ。

『賢明。それより真奈美が本当に思いだしたいこととはディアブロ・ゾンダのことではないか?』

 ――そうだった! もともとイナリが体育中にそんなことを喋り出したからおかしなことになったのよ。

『私のせいではない。真奈美のせい。遺憾中』

「冗談よ、冗談。それで、ディアブロ君の罠って一体なんなのよ?」

『ディアブロ・ゾンタは以前より、好印象を持った人間雌へプレゼント作戦を遂行。近寄ってくる雌と繁殖行為願望が異常に過大で遺伝子情報を直接……以下十八禁のため真奈美には解説不適切と判断。自粛中』

「なによそれ? 十八金って……テファニーのペンダントのこと?」

『……相違。それに、真奈美のペンダントはメッキ。鑑定中。完了。チ~ン223円』

 

 ――な、なんですって? これは偽物なの?

 ポケットからすぐさま取り出して銀色のペンダントを見つめる。


『ディアブロ・ゾンタは3種類のペンダントを準備。純金、白金、鉄と鉛。価格と価値は歴然。待機中』

 ……ワナワナしてくる。……イナリ、血圧下げて……。

『了解。血圧調整実施中。安定』

「……それで、どれを何個ずつ配ったのよ!」

『金は十個。銀は百個。鉄と鉛は一個。――おっと、再度血圧調整中!』


 ――その鉄と鉛で出来たのが私ってわけ~!

 ――一体、私になんの恨みがあるって言うのよ~!


『真奈美の価値観では純金が高価だが、大宇宙においては全く正反対の価値観を持つ星系多数あり。また、レアものとして考えれば真奈美の鉄と鉛製の贋作は超レア。エックスレア以上と判断。なんせ市場にも出回ってませんからねえ~』

「どんだけレアでも金には敵わないわ! って、鉄と鉛もらって喜ぶ女子校生がどこにいるっていうのよ――!」


『ここ。ここ。真奈美。約二時間前の光景再現開始――

 ――テ、テファニーのオーブンハートペンダントだわ~。大きく万歳して喜びたかった。こんなに嬉しかったのはいつぶりかしら~。給食にミルメークが出た日以上に嬉しい~。生まれて初めての感動だわ~。

 ――以上。鉄と鉛もらって完全に喜んでいる女子高生。待機中』


 自分の喜ぶ姿を目の前に映し出され――、恥ずかしいのと腹立たしいので気がどうかしそうになる――。

「バカ! そんなもの映し出すな!」


 私をここまで(はずかし)め……、(おとしい)れるディアブロ・ゾンタ……。絶対に許さない……!


『散核波動砲発射準備。エネルギー充填120%。ディアブロ・ゾンタと彼の家族、工場、周囲一万キロメートルを地球上より消滅可能。発射許可申請中。カウントダウン中』

 ――バカ!

 そんなことしちゃ駄目に決まってるでしょ。だいたい周囲一万キロメートルってなによ? 地球が滅びちゃうわよ!

『冗談。ただしディアブロ・ゾンタには注意必要。監視中』

「分かったわ。女の敵だもんね。則子とカナにも教えてあげなきゃ」

『賢明と判断。ただし、真奈美がディアブロ・ゾンタのことをなぜ知っているのか、バレないよう注意が必要。逆にストーカーと疑われる懸念有り』


 疑われたって構うもんですか!

 ――どうしても腹が立って仕方なかったんだから!


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