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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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五連銀河ビックリ・マックル

イナリのバイトは真奈美のバイトに比べ、短時間で終了する。

 五連銀河ビックリ・マックル


 敵の宇宙船が運ぶもの……船なんて大きさではない。宇宙コロニー程度の大きさはある――!

 ……まあ、宇宙コロニーなんて、マンガでしか見たことはないんだけど……テヘペロ。


「光度調整完了。威嚇射撃中」

「もう! 私が威嚇されたわよ」

 周囲宇宙空間の線状に見える星々がしだいに短かくなり、急に通常の宇宙の星空へと変わった。

「敵宇宙船は航行速度減少。謝罪中。速度光速以下確認。――拘束実施。完了。敵宇宙船は異次元で時間停止拘束中」

 大きな宇宙船が一瞬で目の前から消え去った。

「あ、消えたわ。異次元へ転送したのね。それで捕まえた宇宙船はどうするのよ? 宇宙魚の餌?」

「宇宙魚は機械なんて喜ばない。サラマン様に連絡後、サラマン様の異次元へ転送予定。その後は不明。異次元通信中」

 モニターにサラマンの姿が映し出された。

 

 細い目に金髪の髪。

 人間の姿をしているのだが、どうやら人間である私にだけそう見える仕組みらしい……。


「敵宇宙船を捕らえました。彼奴(きゃつ)らめはゴ・ジュルヌ星団製超大型異次元粒子砲を五連銀河へ持ち込もうと企てておりました。サラマン様の異次元へ転送願います」

「わかった。御苦労である。1ポイント支給する」

「ありがとうございます!」

「うむ――」

 それだけでサラマンはモニターから姿を消した。


 いつもながらスカしていてムカつく。

 ……一応はイケメンなのだが、私の好みではない。なんせ性格が憎たらしい妹以上に悪いのだ~!

「任務完了。帰還準備中。真奈美には感謝中」

「はや! もう終わったの?」

「真奈美の湯冷めが心配中」

 ……そう言えば……私は裸だった。あまりにも敵宇宙船に夢中で忘れていた。


 ――! 

 あのサラマンって奴にも……まさか、見られたの?

 ――顔が急に赤くなってしまう!


「サラマン様は真奈美の容姿に全く興味無し。問題無しと判断」

「問題大ありよ! もう、お嫁に行けないじゃない! どうしてくれるのよ!」

「――ふっる!」


 ――まさか次元戦艦に……年寄り呼ばわりされるとは思わなかった――

 頬の下が……ヒクヒクしてしまう。決してキュンキュンしているわけではない――


「でも真奈美は大丈夫。異次元にて人間の洗脳は容易。または高性能粘土にて人間程度の単純有機生物は作成可能。心配無用」

「――バカ! アホイナリ! さっさと地球に帰るか、バスタオルでも出せ~!」

「了解。直ぐに帰還可能。だが……この近くの五連銀河の眺めは最高。せっかく来たので少々鑑賞して帰るのが得策と判断。鑑賞中」

 するとテーブルの上にはタオル地の白いガウンが現れ、艦橋前方の壁全てがスクリーン化されて艦外を映し出した。

 

 目の前の五連銀河を目視した時、その美しさと迫力に見とれてしまった――。


「す、凄いわ!」

「大銀河が5つ重なったこの銀河はサラマン様が統一されている星系のいわば中心。日本でいう東京」

 せっかくの感動を……ゴチャゴチャ茶化さないで欲しい……。


「まるで、ビックリ・マックルみたいだわ」

「……待機中」

 ビックリ・マックルとは前にも言ったが大型ハンバーガーの名称で、パン、肉、パン、肉、パンで構成されている。それに五連銀河がそっくりなのよ~。

「……。大きさが全然違う。大銀河の直径は……真奈美には無関係と判断。説明中断。鑑賞継続中」

 超次元戦艦オイナリサンは桁外れに大きいビックリ・マックルをゆっくり優雅に一周した。


「銀河一周を数分で行うには超光速での移動が必要。また、通常では人間目視による銀河を全貌するのは不可。遠くの星は光って見えないため。演出のため光度調整中~」

「うるさい! まったく、誰に説明してるのよ!」


 ガウンをまとい、テーブルに出されたホットココアを飲んで温まった。

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