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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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青い瞳の男子

真奈美は青い瞳の男子に、目や心を奪われる。

 青い瞳の男子


 昨日の疲れなど次の日には皆無である。なんせ私はまだ十代の乙女なのだ。疲れ知らずなのよ。

『超回復処置のお陰。私のお陰。待機中』

 イナリのそんな言葉を読みもせずに登校する。


「おはよう、マナ」

「おはよ。カナ」

 電車を降りたところで親友の五十鈴佳奈に出会い、今日も小説の話で盛り上がる。

「マナは何巻が一番面白かったの?」

 私とカナは同じ恋愛小説に夢中なのであ~る。

「やっぱり三巻でしょ。あの辺りから二人の愛が育まれていくんだわ!」

 カナは首を斜め四三度に傾げる。

「……そうだったかしら。一体誰と誰のこと?」


 うわ! カナったらそれもわからずに読んでいたのかしら?

 そう思うと、私が教えてしまってもいいのか心配になってしまう……。

『心配無用と判断。真奈美の心配度数バラメータは理解不能クラス。待機中』

 あ、そうなの? じゃあ教えてあげようかしら。


「ケン様とミュラ様よ。二人は熱く結ばれて、互いに引き裂かれるのよ。これこそ愛だわ」

 聞いた途端、カナが白い目で私を見る。

「二人とも男じゃないの。しかも、百歩譲ってもあの二人は同姓愛者じゃないわ。ケン様は既婚者だし」

「チッチッチ、そんなの分からないわ。奥さんに隠れて、なんと男と不倫してるのよ~。それでもって、最後は要塞と共に宇宙に花を咲かせたんだわ~」

 途中からカナは――聞いてもいない。

 上等よ!

「ああ、儚い命はなんて美しいんでしょう~」

 両手を顎の前で組んだとき、校門を通過する金髪の男子生徒と目が合った。


 その男子は、こちらを向くと……ニコリ微笑み、そのまま校舎へと入っていった――。

 なんだろう……胸の辺りがキュンとして立ち止まる――。


 目で追いながらカナに問いかけていた。

「い、今のは誰? あの金髪って、地毛よね。だって……目も青かったもの」

 もう小説の話は頭の片隅にもなかった。

「何言ってるのよマナ……。知らないのは全校生徒でマナくらいよ」

「え? え? カナは知っているの? 誰よ、教えてよ!」


 私がカナに必死で問いかけるのには理由があった――。


『イケメン。理由と言うほど大それたことではないと判断。待機中』

 イナリのため息が聞こえてきそうだが、今はイナリに構ってなどいられない――。


「三学期から普通科に転校してきた外国人よ。確か、ディアブロ・ゾンタって名前だったかしら。イタリアから来た、超お金持ちらしいわよ~」

「キャ~! すっごく素敵じゃない!」


 一度見ただけの、青い瞳にもう釘付けだった――。

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