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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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脅威の新兵器

脅威の新兵器が姿を現し、真奈美を心底おびやかす!

 脅威の新兵器


 異次元へ転送された私は、超次元戦艦オイナリサン艦橋内で頬張った大トロを喉に詰まらせていた。

「真奈美の呼吸器に異常事態発生」

 目の前の白いテーブルに湯呑みでお茶が出てくる。

「あ……あがりね、気が利くじゃない」

 湯呑を鷲掴みにして、一気に飲む。お茶の温度も申し分ない。


「プッハー。ありがと。……それよりもドレス姿は疲れたわ。着替えを出して頂戴」

 背中のファスナーを下ろしながらそう言った。

「真奈美が着替える時間のうちに敵艦隊撃滅が可能。作戦説明を先にさせて欲しい」

「あ、そうか、いいわよ」

 いつもの白い部屋が宇宙戦艦の艦橋に早変わりをする。まだ船外はピンクの波模様、つまり異次元のままだ。

「敵艦隊を全滅させるのは労働力とミサイルの浪費で効率が悪いため、全敵艦隊を異次元へ転送予定」

 目の前に立体投影図が浮かび上がり、敵の位置と数が詳しく現れる。

「うん、それでいいんじゃないの?」

 敵艦隊を異次元に引きずり込んでしまえば、もうイナリ自由自在なのだ。


 この異次元空間80318では時間さえも止められる。

 敵は瞬時に……何かの材料にされるだろう。


「ただ問題として、ドルフィー第一惑星の住人がそれを破壊したと認識できない。そのため、「また来るんじゃない?」と怖れること請け合い」

「はあ……それはそうかも。目の前の敵が消えても安全とは思い難いもの」

「そこで名案。異次元内で以前より開発していた「異次元かんしゃく玉」を敵艦隊中央付近で炸裂させ、火花と音でビックリさせた後、一気に転送。まるで全艦全滅を演出」

「なるほど! バンって花火でも鳴って敵艦隊が消え去れば、やっつけたように見えるものね。じゃあそれ採用。やって。あと、早く着替え出してよ!」

「了解。真奈美は地球へ帰還する準備として制服を着用依頼」


 なんだ……結局はこれに着替えるのか。

「……玄関から家へ入るため、この服装が必然。かんしゃく玉発射準備完了。大宇宙へ移動中」


 目の前のスクリーンに大きな惑星と、それを均等に取り囲む無数の宇宙戦艦が姿を現した。

「異次元かんしゃく玉発射!」

 スカートをはきながらそう言うと、イナリも復唱し、異次元より超大型のかんしゃく玉が惑星近くへと飛んで行った……のだが……。

「……ちょっと大きすぎない? それに惑星に当たるわよ?」

「惑星は薄さ0ミリの異次元シールド展開中のため大丈夫。少しだけ眩しくてうるさいだけ」

 ――次の瞬間! 

 惑星表面で超大爆発が起こり、爆発の光の壁が惑星全土を覆いつくし、その光は真奈美の視界からも全てのものを飲み尽くした。


 ――けたたましい爆音が鳴り響く――!


「――キャー! 眩しくて何も見えないじゃない! それに、うるさいのは分かったからボリュームを落としなさい!」

「忠実に宇宙の状態を再現。ボリュームミニマム変更中。完了。照度設定変更完了」

 目の前のスクリーンにぼやっと惑星が姿を現す。


「――何が「異次元かんしゃく玉」よ! あんなもん使ったら、どっちが敵か分からないじゃない!」


「うーん、出力に再調整の必要ありと判断。もし異次元シールドがなかったら、惑星は表面2万℃で地表は焼かれ、衝撃で惑星が数キロメートル単位へ粉砕されると解析済み。木っ端微塵。データーを修正中」

 立体映像で惑星が木っ端微塵になるイメージが映し出される。


 ……まったく、この宇宙戦艦は放っておいたらどれだけ危ない代物なのだろうか。考えるだけでぞっとするわ……。


「我らの制御回路は完璧。大宇宙にとって極めて安全かつクリーン。それに私は超次元戦艦で宇宙戦艦などではないと何度も申告済み」

「はいはい。それで敵はどうなったの? 片付いたの?」

「異次元へ転送後、制御回路は分析後に破壊。他の部分は異次元かんしゃく玉二号に改造中。完了」

「そんなもん作らんでいい――!」


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