真奈美の謝罪
真奈美は自分の過ちを素直に認めて謝罪する(?)
真奈美の謝罪
ジリリリリー!
一瞬で会場はパニックに陥った――。
マドランは慌てふためき、ガイザクは皆を落ち着かせるために必死であった。
「何ごと? 騒々しい。パーティーではあっちゃいけないことよねえ」
また大トロを口に入れる。
イナリには悪いが今日はオイナリサンを食べる余裕はない。
『奇襲ごと。真奈美がオイナリサンを食べてくれないので落胆中。待機中』
「ごめんごめん。だって、みんな会場から出ていくし、こんなに残したら勿体ないじゃない」
『……非常事態。自分の命が惜しいのは地球でも大宇宙でも同じこと。真奈美の度胸に感服中』
その時、私を呼ぶガイザク提督の声がした。
「大変です真奈美様! 旧ヌガヌグ帝国の残存艦隊が現れ、一気にこの惑星を包囲しました! ――一斉射撃が二分後に着弾します! わ、我がドルフィー艦隊が迎撃するにはもう間に合いません! ――大至急退避願います!」
――一斉射撃が二分後に着弾――!
「――な、何ですって! ちょっと、聞いてたのイナリ! ボケッとしてないで何とかしなさいよ!」
『ボケとは心外。私は五分前に報告済み。真奈美こそ私の忠告を完全に無視した。もう知らない。立腹中』
「立腹中じゃないわよ! どうするのよ、砲撃って言ったら攻撃されてるってことでしょ?」
ドレス姿で会場の大きな窓から外を見た。空の彼方がキラキラしている。
「前言撤回してくれなきゃ私は知らない。真奈美以外は護衛する必要性皆無。待機中」
――何よコイツ! こんな非常事態に謝れっていうの?
「私にとっては非常事態ではない。超次元戦艦にとっては日常茶飯事。待機中~」
「もうっ! さっきは非常事態って言ってたくせに。分かったわよ、謝るわよ」
軽く息を吸って胸を反らし――。
「悪かったように思う」
「……それは本当に悪く思って反省しているようには全く感じ取れないが……とりあえず了承。実は惑星は異次元シールド展開中で、ヌガヌグ帝国の攻撃は完全に無効。安全中」
「え、そうなの? なーんだ、謝って損したわ」
「シールド解除。解除完了」
イナリが堅苦しい音声でそう言う――。
「いやーん、冗談よ冗談!」
「私も冗談。シールドは展開中。真奈美は、「冗談は顔だけにする」ほうが賢明と判断」
――ムカつくことをさらっと言う~!
最近ちょっと調子にのってきたように感じるわ。まあそれはさておき。
「じゃあとっととやっつけに行きましょうか」
「了解。真奈美を異次元内艦橋へ転送中」
最後の大トロを慌てて掴んで頬張った。




