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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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いただきますと御馳走様

やっとの思いでスピーチを終えた真奈美に、またしても危機が訪れる!

 いただきますと御馳走様


 室内には色とりどりの豪華なご馳走が並び、よい香りが漂っていた。


「ちょうどお腹が空いていたのよ。気が利くじゃない~」

 もう少しお腹に余裕があるドレスで来れば良かった……と後悔した。

『心配無用。食べ過ぎれば胃の中の物を異次元へ随時転送可能。学校で空腹時に再度返還を行えば効率的。待機中』

「再度返還……? おえ、気持ち悪いこと言わないでよ」


 早速皿をとってオードブルを食べようとしたが、周りの宇宙人が全く手をつけていない。さらに司会役の宇宙人が困った顔でこちらをじっと見ているのに気が付いた。

「……ゴホン。それではただいまからマナミ銀河から来られました樋伊谷真奈美様を歓迎する会を執り行いたいと思います」

 私はまた大勢の宇宙人の前へと案内された。

『――せめて……箸と皿を置いてくるのが賢明と判断。待機中』

「え? あ、しまった! そういうことは早く言いなさいよ!」

 壇上にはテーブルも何もない。ドレス姿で箸と皿を持ったまま壇上中央へと案内された。……また何か話さないといけないのかしら?

「それではまず真奈美様からご挨拶を頂きたいと思います」

「えー、また喋るの? 聞いてないわよそんなこと~!」

『またアドリブで頑張れ。期待中』

 イナリは先ほどのスピーチが(あるじ)にウケてポイント稼ぎになったのに味をしめたのだろう……。

 サラマンにまた逢ったら……とっちめてやる~!


 司会がマイクの前へと私を誘導する。皿と箸を持って偉そうな宇宙人の前に立たされて、食事はおあずけってわけ? 腹の虫がグルグルと鳴った。

 ――恥ずかしい! みんなに聞かれちゃうじゃない――。


 なんで私だけが……遠い宇宙でこんな恥ずかしい思いをしないといけないのかっ!


「――ええい、私はお腹が好いたわ。合唱。いただきます! って……これじゃダメ?」

「え、ええ~? あ、ありがとうございました……」

 周りの宇宙人が一斉に拍手を始める中、私はつかつかと壇上を降りて料理の前へと歩いていった。


 ――ああ、もうダメ……。

 恥ずかしくて二度とこの星には来れないわ~。


 そう思いながら、遠慮なしに唐揚げに箸を突き刺して頬張った。イナリのメッセージが何も表示されていない。どうせ……異次元で笑い転げているのでしょう。


『ご名答! 面白い挨拶に私はご馳走様。爆笑中』


 ――後で覚えてらっしゃいっ!


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