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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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真奈美の所信表明

いよいよ真奈美のスピーチが始まる……。

 真奈美の所信表明 

 

 ――ちょっと~、そんな静かにされたら、逆に緊張するじゃない! ……鼓動が聞こえてきそうだわ。

 イナリ、スピーチの内容を早く出してよ!

『了解! 頑張れ真奈美!』

 目の前に文字が浮かび上がった。

 私はマイクに向かってそれを読み上げた。


「……ア、ド、リ、ブ、ってなんじゃこりょ!」


 ナンジャコリャと言いたかったのだが……それすら噛んで言えなかった――。


 大きな音声で私の声が遠くまで響き渡る……。

 まだ静かなままで、私の顔だけが赤面していくのがよく分かった。

『ドルフィー銀河の民は私の声明ではなく、真奈美の声を聞きたがっている。思ったことを言うのが一番と判断。待機中』

 待機中って何よ! 薄情者~!


 ……頭の中が真っ白になっていく気がした……。


「えーと、あの~。その~」

 ……高校入学時にクラスで無理矢理やらされた3分間自己紹介を思い出す。

 あの時も名前だけを言って……、ず~っと立ち尽くしていた。もう自己紹介すらトラウマになった。

 ――しかし、今回は名前すらまだ言っていない。名前? ……そうか!


()伊谷(いだに)真奈美(まなみ)です。16歳です。趣味は読書と音楽鑑賞です」

 あ、なんかいい感じ。普通に喋れるじゃない。

「好きな言葉は、ラブ安堵ピースで、嫌いな人は、体育の先生です」

 あら、言っちゃって良かったのかしら? まあいいわ。イナリも黙って聞いている。マイクを握ってさらに話した。

「この間、ヌガヌグ帝国の戦艦をやっつけたのは、実はドルフィー銀河を助けるためなんかじゃなかったんだけど、なんか……いい結果になったみたいでホッとしてます」

 ガイザク提督とマドラン統括が顔を見合わせている。だって本当なんだもん。テヘペロ。

「ってことなので、私に期待されてもあんまり大したことは出来ないんですけど、……ええっと、当選したあかつきには、より良い社会にしたいと思いますので、清き一票をよろしくお願いします……? お仕舞い!」


 ――何の一票だ、これは選挙演説だったのか?

 言っていて自分でも途中から訳が分からなかったのだが、なんかスッキリした。


『真奈美にしては上出来と判断。我が(あるじ)、サラマン・サマー様も拝聴。傑作とお褒めの言葉を頂戴した。……腹を抱えて笑って下さった、功績ポイントを5ポイントも頂いた。満足中。感謝中。待機中』


 それって、ひょっとして……馬鹿にされてる? 

 笑顔が少しひきつったものになる……。


「ありがたいお言葉……ありがとうございました」

 マドランがそう言うと、辺りからはまた大歓声が沸き起こった。

「ささやかではありますが歓迎セレモニーの準備が出来ています。どうぞこちらへ」

 警備員が真奈美の周囲を囲み、一行は宇宙港の建物内へと向かった。

『私がいるので警備など必要なしと判断。また、この警備員では惑星外からの艦砲射撃には全く無力。手薄。待機中』

「そう言ってぼやかないの。心遣いよ」

 そう呟き、宇宙港にある大きなドーム状の建物へと入った。


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