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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
第二章 超次元戦艦オイナリサン!!
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弁論大会 私の主張

真奈美の通う高校では、冬休みの宿題に「私の主張」の作文があった。

 弁論大会 私の主張


 冬休みの宿題に、「私の主張」という作文があった。

 

 私の通う高校では、それをクラス毎で選考し、選ばれた人は全校生徒の前で発表する、弁論大会があるのだが……、

「そんな催し物をして、一体どこの誰が喜ぶって言うのよ。非生産的だわ」

「まあまあ、そうぼやかないの。どうせマナのは選ばれないから大丈夫よ!」

 登校中にそう言って私を安心させてくれたのは、友達の「カナ」こと五十鈴佳奈(いすずかな)である。

「どうせ選ばれないって言われると、……なんかそれはそれで悔しいんですけど」

 虚ろな目でカナを見ると、手を前で振りながら答えた。

「ごめんごめん。でもマナは何について書いたの?」


 ゴッホン!

 咳払いをして胸を反らして答えた――。


「もちろん、この大宇宙と異次元の神秘についてよ。どこかの学会で発表したら、ノーベル賞ものよ!」

 もしそうなれば、私は一躍世界のヒーローだわ~。きゃっ、どうしましょ。

『あの文章では説明が不十分と判断。待機中』


 イナリの思考が文章化され、直接目に映って見える。

 私以外の人がいるときは、イナリは自分の存在がバレないように、考えたことを文章にして表示するのだ。


「それって「私の主張」と全然関係ないんじゃない。マナは小説の読み過ぎよ……」

 そう言ってカナは、胸を反らしたままの私を置いて先に歩いていった。

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 追いかけると、カナは早足で逃げた!

 まてまて! 運動不足なんだから、朝から走らせるな!


 二人は笑いながら登校した。



 心配が安堵に替わったのは、ホームルームの時間であった。担任が弁論大会のクラス代表を発表したのだ。

「内容がとても良かったので、先生は田中の書いた私の主張を、クラスの代表にしようと思うけれど、どうでしょう?」

 満場一致。誰も反対する者がいない。

 それどころか、選ばれた田中則子も文句一つ言わないのは、……絶対の自信ってやつ? それか、大勢の人前で話すことについて、全く何も考えていないのかのどちらかだろう。

『他の者の嫌々書いた主張と、田中則子の意欲を持って書いた主張の内容の差は歴然。私も推奨。待機中』

 ――誰もイナリの講評なんて聞いてないわ。……っていうか、読んだの? ……私の主張?

『私の主張だけではなく、みんなの主張を読んだ。待機中』


 ……。

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