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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
最終章 宇宙制御戦艦オイナリサン!!!
179/196

超異次元粒子砲発射――!

超異次元粒子砲がコスモロニーに向けて発射される。

宇宙制御戦艦オイナリサンの……最後の砲撃となる。

 超異次元粒子砲発射――!


 有機シールドはその姿を炭化物へと変えていたが、それでもサラマン第一惑星を死守しようとしていた。

 黒い塊がコスモロニーを覆いつこうとしている。


「あの惑星有機シールドは――生命体だったの?」

「その通り。ただし現在シールドの意識的組織は全て焼損。突撃する衝撃で網のように絡みついているだけ」

 まるで……死んでもこの星を守ろうとしている様にみえる。瞬時にコスモロニーから全方位にミサイルが発射され、その黒く姿を変えたシールドは粉々に粉砕された。


「チャンスは一度だけだ。もし外せば敵の異次元粒子砲の餌食になる。覚悟はいいか?」

ゴジュルヌは全てのモニターを忙しく見渡す。

「ええ、いいわ」

 艦橋前方で拡大を続けるコスモロニーの姿から一瞬も目を離さない。私の声でイナリは最後の砲撃をするのだろう。


「こんな時になんだが、……ゴジュルヌには少し感謝している」

「――! おいおい、いきなり何を言い出すんだ」

 イナリにゴジュルヌが答えるのだが、……驚きを隠しえない表情をしている。

「もし私が無事であれば、ゴジュルヌの刑を少し軽くしてもらえるよう、サラマン様に進言する予定」

「フン、そんな心配は無用さ。あのデカブツを片付ければそれでチャラよ。なんせ命の恩人になるんだからな」

 目の前にミサイルが襲来し、迎撃ミサイルと衝突して数え切れない爆発のヴェールが張り巡らされる。


 ――胸を手で押さえながらそのタイミングを見計らう。

「敵の大型異次元粒子砲に捕捉されたぞ! 真奈美、早く撃て!」

「……まだ駄目よ。この距離では……致命傷を与えられないわ!」

「敵のデーターを解析もしていないのに……何故そんな事が分かるんだ」

 ゴジュルヌの問いかけに、今は答えられない。……分かる物は分かるのだ。まだだ、あと……せめて二五秒!

「私は真奈美を信じている。これまでもそうであったが真奈美に全てを任せる。待機中」

「やれやれ……」

 ゴジュルヌはモニターから目を放し、艦橋内の椅子を一つ拾い上げると、それに座って足を組んだ。

「じゃあ俺も全てを任せた。頼んだぜ真奈美ちゃん」

「オーケー。大船に乗った気でいなさい」

「大船ではない。私は宇宙制御戦艦オイナリサン。訂正中!」


 また胸が熱い――。


 目の前のモニター以外の空間までもが光り煌き、全てを飲み込む。


「ウワアアアー! もう駄目だぞ!」

 ゴジュルヌが座った椅子ごと後ろに倒れそうになったその時、


 ――超異次元粒子砲、発射――!


 周辺は既に敵の異次元粒子砲にさらされていたが、その光の帯の中から真紅の光の帯が中心を一直線に突き進む――。


『――! そんな! そんな馬鹿な! これほどのエネルギー飽和は……あり得ない! 理論値をオーバー。解析不可、シールド不可! 助けてくれー!』


 コスモロニーの断末魔の声であった――。


 コスモロニーはその巨体の中心に大きな風穴を開け、次の瞬間に内部から大爆発を起こした――。



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