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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
最終章 宇宙制御戦艦オイナリサン!!!
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新しい宇宙の神、コスモロニー

オイナリサンは、宇宙制御戦艦コスモロニーに褒められる……?

 新しい宇宙の神、コスモロニー


『御苦労であった宇宙制御戦艦オイナリサン。お前のお陰で最終防衛網であるサラマン第一惑星の異次元有機シールドを消滅する事が出来た。後は私に任せておけ。サラマンを惑星ごと破壊し、その地位を我ら宇宙制御戦艦のものとするのだ』


 同時にコスモロニーの大型異次元粒子砲が光の帯を吐き出す――。


 その威力は惑星の有機シールドを瞬時に炎上させ、惑星をも振動させた……。


「――! コスモロニーは自らを異次元消失時用に改造していたと確認。敵の出力解析不可。未知数!」

「それって、私達がゴジュルヌと共にサラマンを救出に来て、異次元消失装置を作動させるって予測していたってわけ?」


 考えたくなかった。またしても掌の上で踊らされていた……。


「まったく、大宇宙っていうのは一体誰が誰の為に躍らされているのか分かりやしない。恐ろしいところだぜ。最後まで踊っていられるのは一体だれか検討もつかないなあ」

 ゴジュルヌはそう言う。

『さあオイナリサン。共に誓った通り、サラマンを滅ぼしに行こうではないか。功績は思いのままだぞ』

 焼け焦げた有機シールドを突き破り、コスモロニーは惑星へと接近を図る。

「私はサラマン様にのみ忠誠を誓う。思考回路に異常をきたした貴様などに誰が従うものか!」


『最後まで馬鹿な奴め。……では滅びるがよい』


 そうコスモロニーが告げて通信が終了した時、艦内が大きく振動して異常警報が鳴り響く。

 残りの宇宙制御戦艦二隻が包囲しながら同時に攻撃を行ってきたのだ!


「敵攻撃被弾! 推進力制御系出力……低下中」

 艦橋内に警報音が鳴り響くなか、私は立ち上がった。

「私達は滅びたりしない。決して!」

 艦橋内のモニターは既に半分以上が死んでいる。主砲も修理は出来ていない。ミサイルも残弾無し。推進装置も機能低下している。それでも敵のミサイルは次々とイナリを狙って発射される。


「……自分で言っておいてなんだけど、絶対絶命かも……?」

「後悔はしていない。真奈美と一緒であれば。覚悟中」

 イナリのその声に沈黙が続いた。


 艦外では多数のミサイルが炸裂する。その沈黙を解いたのはゴジュルヌであった。

「おい――、近くにまた戦艦が出現したぞ!」

「出現ですって? 次は一体何者よ!」


 異次元消失しているんだから、この宙域には簡単に出現なんて出来る筈がないのに……。

 ゴジュルヌは必死にモニターを確認する。


「宇宙制御戦艦と次元戦艦だ! コードネーム「ファンデルワールス」と「トロイ」だと? 至近だぞ!」

 二隻がオイナリサンの左右にピタリと張りつくと、敵のミサイルはその艦に次々と当たり、大きく炸裂した。

「ファンデルワールス? 昨日の戦いでサラマン様に転送し、解体された筈!」


 その時、モニターには完全に修復されたファンデルワールスが姿を現せた。


『こちら宇宙制御戦艦ファンデルワールス。久しいなオイナリサン、樋伊谷真奈美』

「久しぶり……。儲かっていますか」

『普通ですなあ』

「――この緊急事態に、そんな挨拶は要らないのよ! それよりどうしてなの? ファンデルワールスはサラマンに解体されたんじゃなかったの?」

『サラマン様の特例にて緊急復元して頂いた。そして万が一サラマン第一惑星の異次元シールドが消失すれば自動的に大宇宙へ転送されるようプログラムされていたようだ』

『われら二隻、オイナリサンを援護をしろと……。現在、オイナリサンに新たな超光速推進装置と超異次元粒子砲を設置中。ミサイルと魚雷も時間の限り補給中』


 二隻の外壁で、大きな音でミサイルが炸裂する。この二隻も異次元シールドは展開していないが、特殊な装甲を施しているようだ。


「特例……。サラマンもある程度は事態を予測していたってわけね……」

 都合のいいときだけ特例だなんて……。腹立つわ~?


 ……いや、今はいいけど!


『超異次元粒子砲はサラマン様本体護衛用の物を拝借。発射時の周辺歪曲により発射するオイナリサン自身も無事では済まない。最悪の場合思考回路にまで歪曲が悪影響を及ぼす怖れあり』

「取扱いデーター受信中、解析中。――完了」

『安全の為、樋伊谷真奈美を一時預かる。ハッチオープン』


 ファンデルワールスの艦橋付近のハッチが大きく開くのが見えた。


「了解。真奈美……、安全の為、しばらく避難を勧告」

「嫌よ。武器のセットが完了したんなら、早く発進しなさい」

 モニターを見続ける。

 ゴジュルヌもやれやれといった顔をしている。

『オイナリサンの任務は樋伊谷真奈美の護衛。もし真奈美の肉体が衝撃に耐えられなければその任務は失敗に終わる』

 ファンデルワールスはそう告げるが、私の考えは一ミリたりとも揺るがない。

「……真奈美」

「艦長は船に命を預けるものでしょ。今の私にはオイナリサンの中にしか安全な場所なんて……ないの」


 地球を捻じ曲げたり、異次元内にまで侵入してきたり……。

 私に心安らぐ所は、もう、ここ以外にないのよ……。


「敵を全て片付けるのをこの目で確かめないと、地球になんて帰れない! 安心して眠れない!」

「……」

「なにボヤッとしてるのよ! さっさとしないと次の砲撃でサラマン第一惑星はやられてしまうわ!」

 言い切ると同時にオイナリサンは緊急発進を遂げた――。


『では惑星軌道上の宇宙制御戦艦二隻は私とトロイで引き受けよう。死ぬなよ、オイナリサン。真奈美』

 ファンデルワールスはそう告げると、トロイと共にミサイルの雨の中へと突入して行った。

『あわわ、宇宙制御戦艦なんかと戦う破目になるとは……』


 ファンデルワールスとトロイの主砲が同時に砲撃を開始した。



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