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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
最終章 宇宙制御戦艦オイナリサン!!!
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死闘

宇宙制御戦艦オイナリサン VS 宇宙制御戦艦六隻の――死闘が始まる。

 死闘


 サラマン第一惑星を六隻の宇宙制御戦艦が取り囲み、異次元粒子砲を惑星の有機シールドへ高出力で砲撃し続ける――。


 有機シールドには帯状の亀裂か生じては消えているが、その亀裂は次第に拡大している。宇宙制御戦艦オイナリサンは突如異次元より大宇宙へ転送と同時に、最初の一撃を放った――!

「異次元粒子砲、発射!」

 敵艦に接触する程の至近距離で異次元粒子砲を発射すると、目の前で眩い光の玉が炸裂し、衝撃が異次元 シールドで消去しきれずに艦を震わせた。


「宇宙制御戦艦ゴライアス破壊――。敵、異次元粒子砲の発射を確認!」

「異次元歪曲で回避! 早く異次元に隠れて!」

 光速以上で移動することができる宇宙制御戦艦の動きを、レーダーや目視なんかで捉えることは出来ない。


 異次元からの一撃離脱を繰り返すしかないわ。


「――緊急事態発生! 敵の異次元歪曲にて現在異次元制御に支障発生! 異次元への移動は不可!」

「なんですって!」

 それじゃあどうすればいいのよ! 隠れられないじゃない!


 作戦が大幅に狂ってしまうわ!


「はめられたな……。敵は異次元から急に出現するのを待ってたんだ。どうする真奈美ちゃん?」

 頭の中を光速でめくるめく戦闘イメージが描かれる……。

「異次元粒子砲を回避していても、いずれはやられちゃうわ……。やられる前にやらなければ。異次元歪曲を発生させながら全速前進して、敵の第二砲撃までに北極上のあいつに突撃よ! 他からの砲撃が当たらないようにサラマン第一惑星の有機シールドのギリギリを飛んで!」

「了解」

 的確か指示をゴジュルヌは腕を組んで落ち着いて聞いている。

「敵も異次元歪曲により異次元制御に支障発生中と解析。異次元粒子砲の出力と速度は半限」

「んん……? 異次元粒子砲の速度は確か、無限って言ってたわよね? 無限の半分ってどれだけ?」

 意地悪い質問をする。

 宇宙制御戦艦オイナリサンはサラマン第一惑星の青い有機シールド至近を半光速で通り過ぎる。

「無限の半減は……無限の半減。実際の速度は不明も、無限では無い事は確認。だからほら、なんとか避けられた!」

 敵の異次元粒子砲が有機シールドに当たり、プロミネンスのような炎の柱へと姿を変える。

「但し当たれば確実に損害大! 危険大!」


 目の前の北極上の宇宙制御戦艦が瞬時に接近する――。


 私の目に捉えられる筈のない速度なのだが、その中で私はその宇宙制御戦艦が接瞬前に避ける光景が見えた!

「今よ! 左25度、上3度の方向へ異次元粒子砲全砲門発射!」

「発射――! でもその角度では敵の前方へそれると判断。理解不能中」


 目の前に大きな爆発が再度発生する――。

 太陽をも思わせる大きさだ。イナリの問いかけが……宇宙制御戦艦の破壊後に聞こえた。


「――! 宇宙制御戦艦カレーライスを撃沈! 見事中(みごとちゅう)! 真奈美は何故そんな芸当が出来るのかと質問中!」

「引きつけておいて、寸前で避ける気がしたのよね~。感よ感! それよりカレーライスって……なに?」

 日本語訳でカレーライスって名前なの? カレーライスはカレーライスでしょ!

「……サラマン様がその頃カレーライス的な食べ物にハマっていた確率が大。エレキギターもその類い。酷いナンセンスな名前と判断。これは内緒中」

「オイナリサンも大概だと思うがな」

 思わず吹き出してしまった。……ごめんねイナリ。

「それより、次はこうはいかないぞ。敵も時間差で砲撃をしてくる。囲まれれば一貫の終わりだ、どうするんだあああー!」

 ゴジュルヌの声が途中で大きくなったのは、異次元粒子砲がイナリをかすめたからであった。

 爆音と共に警報が鳴り響き――、艦橋内に赤いライトが点滅する――。


「左舷被弾! ただし航行と戦闘に……支障なし。異次元修復は現在不可能」

「だめだわ! 異次元歪曲パターンが解析されている……。次が来るわよ! きゃー」


 艦橋内がグラッと傾く――。

 イナリの思考回路が制御能力をオーバーし、船内重力制御にまで調整が行き届かないのだ――。


「異次元歪曲パターンを変更中! しかし……敵の解析で、回避は困難と推測」

「じゃあ敵の異次元コードを解析して、敵の異次元シールドを解除するのよ。出来るんでしょ! 異次元に侵入してきたナハトムジークもやってたじゃないの!」

「そんな難っしい事が一瞬でできたら苦労しないと反論中! 宇宙制御戦艦の思考回路数台で数分間が必要不可欠! 一隻ではどれだけ時間を掛けても解析不可能!」


 ごめん、私が問いかけたのはイナリではない……。立ち上がって腕を組んでいるゴジュルヌによ……。

顎を一度だけ触るとゴジュルヌは腰に手を当てたまま答えた。


「……一度しか使えないぞ。敵も異次元コードを解析されると知れば、次々に使用する異次元を変えてくる。それに……なにやら真奈美は次の作戦まで考えているようだが、……それはもろ刃の剣。身を滅ぼす恐れがあるがいいのか。真奈美?」


「ええ、いいわ。それでもしサラマン第一惑星とサラマンが滅んでもそれは……大宇宙の運命でしょ――」



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