予測回避出来なかった危機――
予測回避出来なかった危機に、宇宙制御戦艦オイナリサンは最大限の対応をし危機を回避しようとするのだが!!
予測回避出来なかった危機――
「あ」
「あ」
――突然入ってきた母とゴジュルヌが面と向かって立ち尽くす……。
『地球では初対面の挨拶に「あ」を使用する機会ありと判断。データー入力中』
その直後に母は驚きで……フラフラっと倒れてしまった……。
ずっと真面目で、反抗期もなかった私が、まさか男を部屋に連れ込んでいた事実が……母の思考回路を、サクッとオーバーヒートさせてしまったのだ……。
「あちゃー。最悪だわ」
額に手を当てたとき、二次災害が勃発した――。
「どうしたのよお姉ちゃん……!」
妹が入ってきて……またゴジュルヌと対面する。
「よ」
「あ、初めまして。妹の瑠奈です」
妹はしっかりとそう挨拶をしたのだが、その後の始末が悪かった……。急に回れ右をして大声を上げながら階段を降りていく~。
「お父さん! 大変よ! お姉ちゃん男と寝てたわ! 年上よ! 年上のチョイワルイケメンよ~!」
「コラ~! 寝てないっつーの! 待て、待てってばー!」
慌てて追い掛ける――。
ゴジュルヌも追い掛けてくる――!
「俺もなにか手伝おうか? こういう場合は、「責任取ります」って言えばいいのか?」
「異次元に帰れ、バカあたま! それよりイナリ、妹をなんとかして!」
『了解。樋伊谷瑠奈を異次元に強制転送――有刺鉄線で拘束。時間停止凍結――完了。もう二度と……もう二度と真奈美に危害を与えること皆無――完璧。待機中』
「……ほお、さすが次元戦艦だな。処置が適切で素早い」
ゴジュルヌが顎に手を当てて……大物俳優気取りで称賛の言葉を述べる。
「さすがじゃない! ――もう! どうにもならないじゃないの~!」
お父さんは目の前で消え去った妹を見て……ゴジュルヌを怒鳴りつけている私を眠気眼で見守っていた……。
……結局、……やりたくは無かったのだが、私を除く家族全員の記憶は強制書き替えを施され……、まるでなにも無かったかのように、私は朝食を食べ終え家を出た。
「行ってきま~す!」




