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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
最終章 宇宙制御戦艦オイナリサン!!!
148/196

高度な暗号化技術!

暗号化した小宇宙の座標データーを全てオイナリサンに送信するのに、かなりの時間を要する。

 高度な暗号化技術!


 四苦八苦しながら艦隊の隙間を縫うように飛び交う――。


 モニターは『小宇宙座標データ解析完了。宇宙制御戦艦オイナリサンへ送信開始。暗号化レベル超厳密。残り時間約20分』と表示されたままだ――。

「暗号化ですって? そんなもの逆さ言葉かタヌキ言葉で十分よ~! ちょっとは急ぎなさいよ!」

 敵艦からのレーザー射撃は……見ていて感動を覚えるほど強烈だった。


 ――一瞬前に戦闘機がいたところが、次々と光の帯に変わっていく――。


 モニターには……

『暗号化レベル逆さタヌキ言葉に簡略化。送信再開。残り時間約2分』

 と表示が変化している……。


 二分間もハエみたいに逃げ回っていられる? ミサイルもないし、レーザーも使えない。エネルギーを使いすぎた事を思いだし、――ぞっとした。

「もしかして……、データー送信前に……エネルギー切れで止まっちゃうんじゃ……ないでしょうね……」

 続けて飛んでくる星の数のミサイルを、なんとか小刻みに避けながらそう叫んだ時であった。


 パッ周りが一瞬、真っ暗な宇宙から光一面に変わったかと思うと――私の体は座席から投げ出された。


 ――え? レーザーの直撃を受けた――!

 ――体に鈍い鈍痛が走り――ど~んと尻餅をついた……。


「――いてっ! なによ、一体どうなっっちゃったの!」

 その声が、見慣れた室内に響き渡る。


 お尻はオイナリサンの艦橋にあるソファーの上だったのだ……。


「真奈美を戦闘機から艦橋内へ転送完了。お疲れちゃん中」

 聞き慣れた声が耳に入る……。


「真奈美のデーター送信のお陰で私は、大宇宙と小宇宙の自由な移動が可能となった。サラマン様及び他の次元戦艦には、後日帰還後に報告予定。さ~て~と、周辺敵艦隊なら瞬時殲滅、もしくは異次元転送可能。待機中」

 私はソファーの上で操縦桿を握ったままの姿を続けていた。まだ先程の興奮が冷めていない。

「いつまで……その格好をしているのか疑問? その格好が妙に落ち着くのであれば続行可。……待機中」


 ようやくイナリが言っていることが理解できた。

 私はずっと、操縦桿を握る手つきを続けていた……。


「――ええい! 急に現れてあれこれ勝手なことばっかり言わないの! おそい! イナリ!  人間の脳ミソは現状を理解するのに時間がかかるのよ!」

 操縦桿を握っっていた手付きを、プラプラして感触を頭から追い払い、手汗をスカートでゴシゴシ拭く。

背中の汗が冷えて……風邪ひくわ~!



 慌てふためいたのは、敵艦隊の方だろう……。


 小宇宙にいまだかつて姿を現さなかった、敵の最強兵器、宇宙制御戦艦オイナリサンがその姿を現したのだ――。


「攻撃する必要はないわ。それよりも敵の本拠地とか敵の親玉とかを早く探し出しなさいよ」

「了解。――解析中」


 もろに敵のレーザーやミサイル攻撃をボッコンボッコンと喰らいながら、イナリは平然と解析を始める。痛くも痒くもないとは……まさにこの事なのね……。


「――完了。敵ゴジュルヌ第一惑星位置を確認。異次元転送にて移動開始――。到着」


 瞬時に宇宙空間が異次元へと移り変わり、すぐにまた宇宙空間を映し出すと、そこには不気味な漆黒のあばら骨のような物が浮かび上がった。


 ゴジュルヌ第一惑星……お世辞にもカッコイイとは言えない……。

「まるで……売れない芸術家が酒を飲みながら寝転んで夢見た、食べ尽くされたスペアリブの骨の部分だけみたいな……残骸のようなグロえぐい姿だわ――!」


「……。」


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