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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
最終章 宇宙制御戦艦オイナリサン!!!
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狙われた宇宙制御戦艦オイナリサン

間一髪のところで砲撃を回避した宇宙制御戦艦オイナリサン。狙ったのは一体……?

 狙われた宇宙制御戦艦オイナリサン


「――なにごと? また異次元に戻ったの?」

「味方の次元戦艦から異次元粒子砲の捕捉を確認。安全優先の為に緊急回避実施」

「……そりゃそうよ。……敵の真っ只中に味方が急に現れたんだから」


 敵艦を一隻でも自分の手で破壊して、功績を得たいんでしょ。出世欲にかられたイナリのような次元戦艦は。


「イナリのようなは余計。但し、次元戦艦には味方を砲撃出来ないインターロックが設置されている。敵艦ではなく確実に私を捕捉していた。異次元粒子砲の大宇宙での速度はほぼ無限。緊急回避があと千分の一秒遅れていれば、被弾していた。危なかった。マジヤバ中」

「千分の一秒――って! 滅茶苦茶危なかったじゃないのよ!」

 ツバ飛ぶわ!

「――っで、そのファンデル~なんとかっていう奴に、なにか言ってやったの?」

 興奮して思わず立ち上がる。

「07245に異次元通信中。――応答確認」


『こちら宇宙制御戦艦ファンデルワールス。久しいな80318、樋伊谷真奈美』

「久しぶり。儲かっていますか」

『普通ですなあ』

「――なにわけの分からない挨拶してるのよ――。それに昨日も会ったでしょ、まったく。ファンデルとかいったわよね、いくら敵と交戦中とはいえ気を付けなさいよ! 危なかったでしょうが!」

 前面の巨大ディスプレーに表示された一隻の戦艦に向かって文句をぶつける。イナリが同時通訳をしてくれる。

『その必要はないと判断したまでの事。そちらの出現を確認したから的確に砲撃をした』


 ――それって、私達と知ってて狙ったって言ってるようなものじゃない――!


「なぜ狙った。私が00066に反するからか。質問中」

 イナリが問い掛ける。

『00066など関係無い。サラマン様に不満があるのは事実。しかし、私が率先して反旗を翻すつもりはない。質疑応答中』

「ではなぜ狙ったか理由を――簡潔に述べよ」

『相反する宇宙制御戦艦同士が真っ向からが戦えば、周辺宙域に大きな損害をもたらす。大宇宙においてこれまで類を見ない大きな歪みが生じ、それはサラマン様の意向に大きく反するではないか。それを回避するために砲撃をさせた』

「なるほど」

「バカ! 「なるほど」じゃないわよ!」

 突っ込みを入れる。イナリの異次元80318内にいれば、とりあえず他の宇宙制御戦艦も手出しは出来ないようだけれど……危険な事態なのは変わりない。

「しかし、理由はどうあれ私達を砲撃したということは、いずれはサラマ様に反旗を翻す前触れ。何が不服なのだ07245。質問中」


 07245は目を閉じて考え込んだ……ように見える。

「質問中」ってわざわざ言う必要は……ないように思う。


『我々の能力は宇宙一。しかし、それを発揮することなく与えられた命令をこなすのみ。オイナリサン、君が非常に羨ましい。最初はへんてこな命令を与えられただけと思ったが、短期間で宇宙制御戦艦にまで成り上がった』

「運が良かったのだ」

「おいおい、宇宙制御戦艦ほどの者が「運が良かった」はないでしょ――」


 本当にこいつらは機械なのだろうか……。

「それに、イナリが出世したのは、ほとんど私のお陰じゃない!」

 決して天狗になっているわけではない。


 思い返せば、ブラックホールに吸い込まれかけたり、裏切り者の次元戦艦と戦ったり、泣いてサラマンにお願いしたり、――私ばっかり苦労しているじゃないの~!


「まて真奈美! 私だって苦労している! ソフトボールの被弾から守ったり、五十鈴佳奈との喧嘩の仲裁をしたり、肥満を未然に防いだり――苦労の度合いが違うと判断!」

「……確かに度合いは違うかも知れないわね……ってえ! 全然大したことしてないじゃない~! それに、ソフトボールは実際に顔に当たったし、佳奈ともまだ仲直りできてない! そしてなにより、私は肥満なんかじゃないわ――!」

「やれやれ、そうならないよういつも忠告している私のお陰なのに……落胆中。ナイスバディーは程遠いが、千里の道も一歩から」

「なにが千里よ! まったくもう」


 頬を膨らまして後ろを向くと、07245は奇妙な唸り音を響かせた。


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