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ボディーガードは次元戦艦オイナリサン!  作者: 矮鶏ぽろ
最終章 宇宙制御戦艦オイナリサン!!!
123/196

新たな任務

仕事が欲しいと言うイナリに対し、サラマンは一つの任務を提案する。

 新たな任務


 サラマンはケーキを刺したフォークを口の前で止めてこちらを見た。


 その目は細く綺麗な色をしている。顔立ちだって地球上の女性が百人見れば百人が惹かれるであろう。超絶イケメンだ。

 性格がもう少し人間らしかったら……破綻していなければ……私も惚れていたかもしれないわ……。


「ねえサラマン、イナリにもそれなりの仕事与えてあげなさいよ」

 ケーキを頬張った途端にむせかえり、慌ててコーヒを飲んで流し込む。私ではなくサラマンが。

「呼び捨てアンド命令か? この私に対して……」

「いいじゃない別に。宇宙では上下関係なんて無いんでしょ」

「……真奈美、大有りです。教育中」

 イナリも呆れたように言う。サラマンは苦い顔をして椅子にもたれなおすと、一息ついた。

「80318は特進で昇格しただけに過ぎぬ。実績、経験共に他の宇宙制御戦艦と比べれば皆無に等しい。よって、二足歩行生物の護衛だけで十分だ」

御意(ぎょい)! 任務、有り難き幸せでございます」

「バカ、イナリ! 言いなりになってどうするのよ! さっきまで仕事が欲しいって言ってたじゃない。ちゃんと言いたいことは言いなさいよ」

「き、記憶にございません~」

 イナリはそう応える。あんたはどこぞの政治家かってーの!。


「ククク。面白い」


 急にサラマンが不適な笑みを浮かべて笑い始めた。何か悪い事を考え付いたかのように……。

「な、なにが面白いのよ。――イナリだけ他の戦艦からのけ者にしているくせに!」

 少し腹が立つ。

 決して面白い話などしているつもりはないのだ――。


「ククク。イナリがイイナリとは傑作だ! コロ助もビックリだ。アーハッハッ! ぐわあ~!」

 気が付くと私の右手はサラマンの左頬をぶん殴っていた。サラマンは黒いマントをひるがえしその場で一回転して艦橋内にぶっ倒れた。

「――いい加減にしなさい! 冗談言ってるんじゃ無いんだから!」

「あわわわ……」

 イナリは気絶しそうなくらいショックを受けているのではなかろうか。制御装置が気絶するのか私には全く関心ない。シャットダウンとか暴走とか? かしら……。


「あいたたた、私を()っただと。この宇宙最高の頭脳を持ち、同じく最高の権威を持つ私を?」

 また握り拳を作って見せると……サラマンは両手を差し出した。

「わかった、謝る。冗談だ、ただの冗談。凄く痛いから打つのは止めてくれ!」

「じゃあイナリにも何か仕事与えてよ。言っとくけど、私の護衛の妨げになるのは駄目だからね」

 サラマンはゆっくりと立ち上がり、腕を組んで考える仕草をとった。

「よし! いいことを思いついたぞ! 小宇宙に行ってゴ・ジュルヌの動向を探ってこい。どれだけの勢力で、一体全体何を企んでいるのかを詳しくだ!」

「ハ! かしこまりました!」


 即答ですか――?

「って、ちょっと待ちなさいよ。それって、敵の本拠地へ潜入してこいって言ってるようなもんじゃない!」

「うん」

 うんじゃないって……。イナリも即答しすぎよ!


 ――危ない仕事トップクラスじゃない!


「仕事を与えてくださいと言うから与えてやっただけだ。嫌ならいい。これまで通り、それの護衛を続けるがいい」

「カッチーン、それって言ったわね。あったまにきた~」

 また握りこぶしを作るのだが、どうやらイナリが私の体を異次元から固定したのだ。

「こら、イナリ、なにするのよ! 離しなさいったら」

 金縛りみたいに身動きがとれないわ――。


 ……金縛りなんてあったことないんだけどね、テヘペロ……。


「全てはサラマン様の為。全力を尽くします」

「うむ。ではさらばだ」

 一瞬にしてサラマンは姿を消した――。


 テーブルにはマイクのケーブルが置き忘れられているのだが、もうどうでもいいのだろう。


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