表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

five. あの時から。

駅は無人駅で、同じ駅で降りた人はいないくらいの田舎だった。

小さな改札を抜けて、駅の外に出る。


中学に上がってからはもう来ていなかった。

懐かしい景色…。


周りは田と畑が広がっていて、遠くに民家が1.2軒見える。

コンビニもなければ、スーパーもない。

ただただ広い空と緑が広がっている。


歩いて、目の前のコンクリートで舗装されていない狭い道を中村くんのあとについていく。

私たちの間には会話はなくて、ただただ、セミの鳴き声だけが、響き渡っている。


私は中学に上がるまでずっとここで育ってきた。いきなり親の都合で引っ越すことになって。私だけ、みんなと違う中学校に行くことになった。

今住んでるところから、ここまでは電車で1時間以上かかって、引っ越してから一度も来ていないし、みんなの顔もよく覚えていない。6年間も同じクラスでずっと過ごしていたのに。


そんな思い出を思い出しながら、私は、黙って歩く中村くんの後を追った。


「ここ、覚えてる?」

丘の上の大きな木。


雨宿り。自由研究。怒られてへこんだとき。

あらゆる時を過ごしたこの木。


「どうして、ここを・・・?」


「俺さ、一年間だけここに住んでたことがあるんだ。その時、相馬さんに出会って。一年間だけだったし、忘れてるかもしれないけど。よく、一緒に遊んだ。苗字も変わったし、あれからもう、4年たってるし・・。でも、俺はすぐ相馬さんだって気づいてたんだよ?。」


「…」

状況を呑み込めない私に、彼はもう一言付け加えた。

「田中芳也」


思い出した。

笑顔がかわいくて、肌が白くて、背も私よりずっと低くて。


「あの時から好きだったんだよ。」

中村くんはそういうと私を抱きしめた。







読んでいただいてありがとうございます。


二か月ぶりの更新です…

うまく完結できなくてごめんなさい。


温かい目で見守ってください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ