two 告白。
「相馬さん、ちょっといいかな?」
部活が終わり、ちょうど部室から出ると、部活の運動着をきた、中村くんが立っていた。
「んー?」
私は、中村くんにつられるがままに二階の踊り場へ連れてこさせられた。
中村くんはそのまま私に背を向けて立っていた。
なかなか話し出さない。
「あの、中村くん?」
私が声を掛けると、
「相馬さんさ、俺のことどう思ってる?」
後ろを向いたまま中村くんはきいた。
「え?どうって…。うーん…」
突然そんなこと聞かれても。私は一生懸命言葉を探す。
探さないと、自分の思いをぶつけちゃいそうで…。
「ごめん、困らせる気はなかったんだ。」
いきなり振り返って、一歩前に出た。
彼が近づいたことで私たちの距離は10センチもなくなった。
ふんわりと石鹸の香りがする。
「おれ、相馬実桜さんが好きです。付き合ってくれませんか! 」
彼の目はしっかり私の目をみていた。
驚きのあまり声が出なかった。たぶん、口をパクパクさせてるんじゃないかな。
体の力が抜けてその場にへたり込む。
「ごめん、大丈夫か?」
心配そうに覗き込む彼にドキドキしてしまう。
「う、うん。だ、大丈夫。」
やっとのことで声を出したけど、びっくりするほどに震えてる。
「ごめん、ほんとごめん。そんな困らす気なくて…」
「う、ううん。だ、大丈夫だよ。」
軽くうなづいて彼を見た。
「あ、あの、ありがとう。」
「いえ。」
「あの、返事よかったら聞かせてもらえないかな?」
ふぅ、と深呼吸をして、私は決心を決めて、立ち上がる。
「わ、私も好きです。よろしく、お願いします。」
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。