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ぼくらのTRPG生活  作者: K島あるふ
#10_ぼくらのダンジョン生活(最終章)

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208/208

とある女子高生の寄り道

 根古屋凛子は女子高生である。

 戸籍上の年齢なら2年生になるはずだが、実は少し前にちょっと1年ほど行方不明になったりしたので、1年生をコンティニューしている最中だ。

 放課後、凛子は学校の友達と別れた後、すこし足を延ばしてフラフラと隣の市までやってきた。

 彼女の生活において隣の市は全く行動範囲から外れていたが、それでも「一度は見ておくべきだろう」と思ったのだ。

 駅からしばらく歩くとすぐにいろんなお店は見なくなり、住宅街へと入る。

 凛子は気にせずズンズン進む。

 そして、ある一つの、どこにでもありそうな一軒家で立ち止まった。

 表札には「鈴木」と書いてあった。

「ここにゃ……おっと、癖になっちゃった」

 凛子はつぶやき、その住宅を見上げる。

 築年数はおそらく15年程度の2階建てだ。

 家族4人くらいで暮らすにはちょうど良いだろう。

 そうやって少しだけ眺めていると、住宅のドアから慌ただしく少女が飛び出して来た。

「あの馬鹿アニキがどっか行っちゃったせいで。なんで私が。もう、もうもう!」

 少女はそうブツクサと呟きながら、急ぎ凛子が来た道をたどるように走っていった。

 つまりそっちは駅があり、商店街がある。

 少女は、凛子と共に行方不明になって、未だ行方不明のままの少年に幾分か似ていた。

「にゃぁ、にゃぁにゃぁ」

 凛子は意味もなくそう呟き、踵を返して少女の行った道を追う。

 いや追いかけたわけではない。

 ただ、自分も帰るだけだ。

「アっくんたち、元気でやってるかにゃぁ」

 凛子は茜色に染まっていく空を眺めながらつぶいた。

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